家賃50万円ならいくら経費にできる?住宅規程の本当の使い方とは
Last updated on 2023年2月16日 By 杉田健吾
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前回からスタートした「住宅規程で節税特集」ですが、読んでいただけましたか?
この記事に対して、勉強熱心な方からたくさんの反響があり、いくつかの質問もいただきました。そのなかで、「家賃50万円ならどうなの?」という質問があったのですが、みなさんはどう思われますか?
そこで今回は、家賃50万円ならいくら経費にできるの?という話をしていきます。
前回の記事に対しての質問
前回の記事では、私たちは「衣食住」のうち一番お金のかかる「住宅に関する支出」を制することができれば、個人の私生活の支出のかなりの部分を制したことになります。みたいな話をしました。
その記事の中では、例として、都内の家賃18万円の物件について住宅規程を取り入れた場合の家賃割合を試算しました。その結果、自宅を社宅とした場合の家賃の支払い割合は、会社負担170,510円、個人負担9,490円でしたね。つまり、個人負担は「たったの5%!!!」という話をしました。
このような記事を載せたら、以下のような質問をもらいました。
「家賃18万円で自己負担5%であれば、家賃が50万円だったらどうなのですか?このような家賃が高額な場合でも、自己負担5%、つまり3万円程度の自己負担で、残りの47万円は経費にできるのですか?」
これ、どうでしょう?あなたはどう思いますか?
どのくらいの割合で家賃を経費にできるのか
家賃50万円の自己負担はいくらくらいだと思いますか?
国税庁が細かく決めている
実はどのくらいの家賃までなら経費にできるかということは、ありがたいことに、すでに国税庁によっていろいろと細かく決められているんですよね。
ずいぶん前のことですが、過去にいろいろと問題になったから、これ以上問題になるといけないから、細かく基準を決めてくれたのです。つまり、ここまでは経費にしてOKですよ!ってちゃんと決めてくれているんです。なので、僕は「やるね!国税庁」って言ってあげたい。
100平米未満なら90%経費が目安
結論から言うと、結構いいところまでOKになっています。ざっくり言うと、100平米未満のマンションであれば、ほとんど家賃の10%程度の自己負担でOKとなりますね。まあ、都心部で計算の基準となる物件の評価額がやたら高い物件については、こんなにうまくはいかないかもしれませんが。
しかし、よほどの高級物件でなければ、かなりの金額まで経費としてOKとなるのが実情です。つまり、家賃50万円の物件であっても、国税庁が決めた基準をクリアしていれば、社長は5万円程度の家賃を払えばOKとなる。と言うことですね。つまり45万円の家賃が経費にできるということです。これはすごいことですよね。
伝えたいのは高い家賃で贅沢する方法ではない
50万円のマンションを5万円の自己負担で借りられるなら、高い家賃のところに引っ越そうと思うかもしれません。しかし僕が伝えたいことは、少ない自己負担で贅沢をしようということではないんです。何事もバランスが重要になってきます。
節税して贅沢することが本当の目的ではない
実際にここまで家賃の高いマンションを借りていると、会社のキャッシュフローが悪くなるのは当たり前ですよね、こんなことをやってると、節税なのか贅沢なのかわからなくなって、結局資金繰りが悪くなるのであれば本末転倒です。そのため、無駄に高い家賃のところに住むことはあまりおすすめしません。おすすめはしませんが、やろうと思えばできる!ってことですね。
でも考えてみてください。節税できるからって調子に乗って贅沢しまくって、自分だけ得をすればいいという考え方ではビジネスはうまくいかないですよね。つまり、社長が自分のお手盛りで会社のお金を贅沢三昧に使い倒すために節税しようぜ!という考え方では経営がうまくいくわけがないということです。
節税して手許にお金を残すことが重要
僕がお伝えしたいのは、自分だけが贅沢して得しようという考えではなくて、起業初期の設立1年目〜7年目程度はお金がものすごくいるのが現実ってことです。お金が必要なのに、税金対策等をきちんとやっていないとお金が回らなくなるよ、ということです。
お金が回らなくなったら、せっかく起業したのにビジネスが続けられなくなるじゃないですか?そうなったら困りますよね。だから、起業初期はできるだけ賢く税金対策やお金の守りをきちんとやって、経営者である社長の手元にできるだけお金を残す必要があるんです。そして、さらに自分のビジネスを軌道に乗せていくためにしっかり蓄えていきましょう!という話です。
蓄えるためには、私たちの生活費の大部分を占める「衣食住」のうちの「住」である住宅に関する支出を制することがかなり大事ですよね。だから、住宅規程を上手く活用していきましょう。
税のことを知って手許にキャッシュを貯めよう!
今回は家賃50万円ならどのくらい経費にできるの?という話をしてきました。その結果、条件を満たしていれば、5万円程度の自己負担で、45万円は経費にできるという話でしたね。
しかし、無駄に高い経費を払って手許にお金がなくなってしまっては、節税している意味がありません。起業初期は何かとお金が必要なので、なるべく手許にキャッシュを貯めておく必要があります。そのために、上手に節税していきましょう。
税の世界は、知っているものと知らないものとの差がどんどん開いていく世界です。知らないと損をする世界なんです。そのため、起業した以上はあなたも是非いろいろと知識を得て、自分のビジネス、自分の会社をしっかり守って行ってくださいね。
それではまた。次回をお楽しみに。