甘い言葉、巧みな言葉には注意してね( ̄▽ ̄)

Last updated on 2023年6月27日 By 杉田健吾

以前のレクチャーで一部の生命保険(ほぼ規制されましたが)や経営セーフティー共済などの全額経費になる節税商品って本当は節税ではなくて税金の繰り延べですよ〜という話をしました。覚えていますか?えっ?税金の繰り延べって何?って。

税金の繰り延べとは、掛金を支払った時は経費になって節税になったような気がするのですが、解約したり満期になったりしてお金が戻ってきたときには、結局税金が取られるよという話です。でもこの話をすると、退職金を払えば利益を相殺できるという人がいるんですよね。

そこで今回は、節税商品の出口戦略に退職金を使うのはどうなの?という話をしていきます。

今回の内容は

退職金で利益を相殺すれば節税できるってホント?
節税商品の出口戦略は退職金の活用
節税商品は退職金のメリットを活用しているだけ

退職金による節税は節税商品の特典ではない

甘い言葉には裏があるから気を付けて

退職金で利益を相殺すれば節税できるってホント?

お金が戻ってきて利益が出た場合は、お金が戻ってきたタイミングで退職金を出して利益を相殺してしまえばいいんですよって話を聞いたことありますか。

節税商品の出口戦略は退職金の活用

つまり、全額経費で積み立てた保険などを受け取るときの出口戦略は退職金を活用しろ!ということですよね。あなたはこの話、もしかしてなるほど〜って信じてしまうタイプですか?

そもそも法人の退職金って実はすごくお得なんですよ〜って話は少し前のレクチャーでもしましたよね。退職金には以下のとってもお得な3大特典がついてるんですよ〜という話です。

・退職所得控除

・1/2しか課税されない

・分離課税

節税商品は退職金のメリットを活用しているだけ

多くの節税商品などを売っている人が言う売り文句でも、この退職金を使った出口戦略がよく使われます。「全額経費で積み立てた保険などの解約返戻金を受け取る時は、何もしないと益金(収入)になってそのときに税金が取られます。だから、そのタイミングで退職金を出して経費を作れば、解約返戻金の利益と退職金の経費が相殺されるんです。だから結果的に税金がかからず節税になるんですよ〜」ってね。

でも退職金のとってもお得な特典って、退職金を単独で支払ったときだって使えるんですよ。だから別に全額経費で積み立てた保険などを受け取るときの出口戦略としてわざわざ使わなくても良いんです。

退職金による節税は節税商品の特典ではない

退職金で節税できるってよく考えたらおかしいですよね。退職金を出すことによる節税効果って、あくまでも退職金にはとてもお得な特典がついているって言っているだけなんです。どこまで行っても退職金の特典なんです。一部の節税商品と言われる生命保険や全額経費になる経営セーフティー共済などを解約したときの特典ではないんですね。

ん?何が言いたいのかって?つまり、全額経費になる節税商品って言われるものは、どこまで行っても税金の繰り延べでしかなく、その商品自体には本当の節税効果はないんですよと言うことです。つまり、トータルでみたら節税効果はないと言うことです。甘い言葉、巧みな言葉のまやかしには十分に注意してくださいってことですね。

甘い言葉には裏があるから気を付けて

今回は、節税商品の出口戦略となっている退職金についてお話ししてきました。つまり節税商品って多くの場合は、その商品に節税効果があるわけではないんですよね。ただ税金の支払いを後回しにしているだけです。それを退職金という制度を使って、あたかも節税商品の特典であるかのように見せているんですね。

経済取引には必ず表の面と裏の面があります。儲かる人がいれば、損する人がいる。お金がもらえるなら、お金を払っている人がいる。貸した人がいるなら、借りた人がいる。経費になったのなら、戻ってきた時は必ず利益になって税金がかかる。

冷静になって考えたらわかるはずです。だから経営者は、甘い言葉、誰かが作ったセールストークに惑わされないようにしなければなりません。ある程度の会計の知識は、やはり持っておいた方がいいよねってことですね。そのためにも僕のレクチャーをぜひ活用してみてください。