株式会社か合同会社か?
Last updated on 2023年11月24日 By 杉田健吾
–
ひとり起業家の方が会社を設立するときに考えなければいけないのが、株式会社にするか合同会社にするかです。株式会社はよく聞くのでなんとなく知っている方も多いと思いますが、合同会社は比較的新しい形態なのでよく分からないという方も多いでしょう。大手企業は株式会社が多いイメージですが、アップルジャパンやアマゾンジャパン、西友など身近な企業でも合同会社を選択している場合があります。
このように聞くとますますどっちが良いか分からなくなりますよね。株式会社と合同会社はどちらが良いというものではなく、どっちがあなたの会社に合っているかで考える必要があります。そのためには、まず株式会社と合同会社の違いについて知っておかなければなりませんね。そこで今回は株式会社と合同会社の違いについて所有者の観点から解説していきます。
株式会社と合同会社の違いが分かりますか?
最近またまたよく聞かれる質問が「株式会社と合同会社ではどっちがいいの?」ってことです。この質問、何度も聞かれるので何度も書きますね。
合同会社と株式会社の違い
まず、合同会社と株式会社って何が違うの?って思いますよね。これね。設立コストが合同会社は6万円なのに対して、株式会社は20万円かかるというわかりやすい違いがあります。でも一番の違いはやはり、所有と経営の分離があるかないかですね。これだけ言われても???ですよね。
会社を所有しているのは誰か?
会社を所有するとか、会社を持つって言葉をよく聞きますよね。こう聞くとあなたは誰を想像しますか?会社を持つと聞くと多くの方は、その会社の社長を想像されるのではないでしょうか。がしかし、実は株式会社では社長は会社を持っていない、つまり株式会社の社長は自分の会社を所有していないのです。これご存知でしたか?
株式会社は所有者と経営者が一緒ではない
株式会社では会社を所有しているのはあくまでも株主です。つまりその会社に資本金を出資した人ということですね。
社長や店長は会社の経営を任されている
オーナーと雇われ社長なんて言葉を聞いたことありますよね。イタリアンレストランのオーナーと店長みたいな関係ですね。なので株式会社では社長がその会社を所有しているのではなく、株主であるオーナーから経営を任されている関係ということですね。なので株式会社では最低でも年に一回は株主総会なるものを開催して、会社の経営状態について社長以下役員が株主に報告する義務があるということなんですね。株主総会の結果、あまりに会社の業績が悪いと株主にダメ出しされて最終的には社長を辞めさせられるということもあるのですね。
ひとり起業家のオススメは所有者と経営者が一緒の会社
ただね。僕がオススメしている「ひとり起業家」が法人を作る場合には、株主も社長も同じ人なので会社を所有してるのもあなたで、会社を経営するのもあなただよということです。なので、あなたが経営する会社の状況を株主総会であなたに報告するみたいな変なことになるわけです。ほんと形式だけですよね。なのでひとり起業家が法人を設立すると、結構自由に経営ができるというわけですね。
合同会社は所有者と経営者が一緒
そして、この所有と経営が最初から分離していないのが合同会社なんですね。つまり株主(合同会社では出資者)=経営者ということです。会社にお金を出資した人がその会社の経営をするというのが合同会社なんですね。
株式会社の場合は会社にお金を出資しても経営はしないということができるけど、合同会社の場合は会社にお金を出資した人がその会社の経営をするというのが基本的な仕組みなんですね。この違いがやはり一番大きいですね。
株式会社と合同会社では所有者が違うことを知ろう
今回は株式会社と合同会社の違いについて所有者の観点から解説してきました。分かりやすい違いとしては設立コストがあります。株式会社では20万円ほどかかる設立時の法定費用が合同会社では6万円ほどで済みます。設立のコストだけを考えると合同会社の方がよいですよね。
でも株式会社と合同会社の大きな違いは、会社の所有者がだれかということです。株式会社を所有しているのは株主であり、社長や経営者が必ずしも会社を所有しているわけではありません。雇われ社長なんて言葉を聞いたことがありますね。一方合同会社は会社に出資した人、つまり会社を所有している人が経営者になる必要があります。
ただし、そうは言ってもひとり起業家が法人を設立したら、あなたが株主(出資者)であなたが社長(経営者)なんだから、合同会社でも株式会社でも結果は一緒ということです。まあそれ以外にもいろいろと違いがあるのですが、その話はまた今度お話ししますね。