独立してすぐ会社を作るって無謀?
Last updated on 2023年12月6日 By 杉田健吾
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会社を設立するなら、事業が軌道に乗ってからと考えていませんか?独立してすぐに会社を作っても売上が上がるか分からないし、その割にいろいろな事務処理が増えるので面倒です。だから普通は独立してすぐに会社を設立したりはしませんよね。でも、独立してすぐに会社を設立すると良いこともあるんです。
その代表例が社会保険です。会社員のときは会社と折半していた社会保険ですが、個人になると自分で払わないといけなくなります。しかも扶養していた妻の分も払わなければいけなくなるので、負担が大きくなります。健康保険は前年の所得に応じて保険料が決まるので、会社員の時に稼いでいると負担が急増して大変です。
この社会保険は会社を設立することで大幅に削減できる可能性があります。そこで今回は、僕が独立してすぐに会社を設立して社会保険を削減した例を紹介します。
僕が独立した時のお話し
僕は独立して7年になりますが、実は独立してすぐに会社を設立しました。と言っても実は独立した時ってコンサル業をやろうと漠然とは考えていましたが、具体的な商品コンセプトも決まっていませんでした。かなりアバウトな感覚で、まあなんとかなるだろ?と変な自信だけで起業したというありさまです。今思えばかなり無謀なチャレンジでした。
売上ゼロでも焦りは無かった
そして起業した結果はというと、半年間は売上”0”、その後はチョロチョロっと収入がある程度で、起業してから10ヶ月程度はまあさんたんたる結果でした。このままずっと収入が上がらなければさすがに廃業になる、と普通は不安になると思います。でも僕の中では最初から2年間は無収入でもなんとかなるという計画のもと起業をスタートしていたので、焦りは全くありませんでした。
起業初期は攻めの部分を成功者から学んだ
ただひたすら今は試行錯誤を繰り返しながらビジネスの基礎を学ぶときだ。と考えて行動していましたし、なんの根拠もないのですが1年以内には結果が出る!と考えていたので
(かなり楽天家ですね)まったく焦りはなく、「成功者は何をやっているのか?」という部分をじっくりと学んでいました。このように僕は、ビジネスの攻めの部分、つまり稼ぐ部分については起業当初はひたすら学ぶ時と考えていたので、試行錯誤を繰り返していました。
ビジネスの守りの部分には明確な戦略があった
でも実はもう一つ計画があって、それはビジネスの守りの部分、これについては試行錯誤ではなく僕の中では明確な戦略がありました。それが『税金対策』です!
普通、起業初期でまだまだ売上がまったくない時って、すぐに会社なんて作りませんよね。だって売上もないし、商品もないし、具体的に何をどうやるのかも決まってなかったし、会社なんか作ったら確実に申告しないといけなくなるし、何やら届出書等もいろいろ作らないといけないし、赤字だったとしても最低7万円は税金かかるし、あ〜めんどくさ!というのが普通ですよね。それが普通です。
最初に手を売ったのが社会保険
でも僕は普通じゃ嫌なんですね。そこで僕がまず最初に手を打ったのが社会保険です。独立すると最初にやって来るのが国民年金と国民健康保険への加入ですね。まずはこれをどうするかが大きな問題です。
任意継続健康保険にするか国民健康保険にするか
通常、会社員であれば独立する前は会社で社会保険(厚生年金と健康保険)に加入していますよね。なので社会保険の保険料は会社と本人で折半していました。しかも扶養家族の分は負担する必要もなかった。しかし、独立すると途端にまず国民年金に夫婦とも加入させられます。そして健康保険は任意継続健康保険にするか?国民健康保険にするか?を迫られます。これらが結構きつい!
何もしなければ毎月10万円の負担
国民年金は1人月額1.6万円以上を夫婦2人分だから月々3.2万円以上、年間40万円程度を無条件に支払わないといけない。国民健康保険は前年の所得をもとに世帯単位で計算されるため、確認すると月額7万円以上支払わなければならなかった。つまり何も手を打たなければ毎月10万円以上を国民年金と国民健康保険だけで支払わなければならなかったわけです。マジか〜ですよね。
会社を作れば社会保険を減らせるのでは?
まあ国民健康保険は軽減制度や減免制度があるため、失業したと言って手続きをすれば保険料を軽減することはできたかもしれません。でも僕はさすがに失業したというのは抵抗がありました。そこでやっぱ会社作ろうと考えたんですね。とりあえず会社を作って自分に給料をちょっとだけ出せば社会保険に加入できるからです。そうすればこの月額10万円の負担を一気に減らせるのでは?と考えたのですね。
会社を作れば経費の貯金もできる
しかも会社を作れば、これから学びにいく起業塾やセミナー講座への参加費用も経費にできるし、その他のいろいろな支出も会社の経費にできるし、さらにあの便利で効果的な旅費規程という経費も作り出せるじゃないか!よし!すぐに会社を作って、まずは目の前の社会保険という強敵をガツンとやっつけよう!さらに旅費規程等の便利な手法を活用して、会社に経費貯金しておくか。って考えたのですね。
(注)経費貯金とは、売上がなくても経費を積み上げておいて、赤字を繰り越して節税する方法(杉田が勝手に付けた名前です)
社会保険の大幅削減に成功!
まあ結果からいうと、僕は当時、社会保険(厚生年金と健康保険)を毎月2万9千円だけ支払っていました。これで家族全員分です。
会社を作ったことで月々7万円の削減に成功
なんと何も手を打たなかったら月々10万円の負担だったものが、会社を作って自分に給料をちょっとだけ払って社会保険に加入することで月々3万円弱になったんです。その結果、毎月7万円、年間にすると84万円も浮いたことになるんですね。これは大きい!
経費もしっかり貯めこんで節税にもなった
しかも会社に経費貯金もしっかり貯め込んであるので、売上が上がり出した後も法人税はほとんどかからないし、個人の所得税も給料がちょっとだけなのでかからない状態でした。我ながらこちらの守りの部分はバッチリやね。と自画自賛しておりました。
経営の守りの部分がとても大事
まあ現在は、別の理由から自分の給料はそこそこ出すようにしてますが、事前に準備しておくのとしていないのとでは、かなりの差が生じるのはわかっていただけますよね。なので僕は経営の守りが大事ですよ!って言っているのです。
だって、利益300万円あっても税金で100万円、年金&健康保険で120万円持ってかれたらいくら残りますか?たったの80万円ですよ。これじゃ生活できないですよね。でもこの税金等の支払い220万円をたったの40万円程度にできたらどうですか?手元に残るお金は一気に増えて260万円ですよ!この差は歴然ですよね。やっぱり起業するからには経営の守りの部分をしっかり押さえておきたいですよね。
会社設立で社会保険の大幅削減に成功!
今回は、僕が独立してすぐに会社を設立して社会保険を削減した例を紹介しました。僕は独立してすぐに会社を設立しました。独立して半年間は売上がゼロでしたが、焦りはまったくなく、コツコツと勉強する日々でした。
売上がゼロの時でも僕がやっていたことがあります。それが社会保険と税金対策です。会社員を辞めると任意継続健康保険にするか国民健康保険にするかを選ぶことになります。どっちが良いかは独立してからの収入にもよりますが、どっちを選んでも負担が増えることが多いです。なぜなら、いままで会社と折半していたものを自分で全額払わなければいけないからです。しかも扶養に入っていた妻の年金も払わなければいけなくなるので負担が急増します。
この社会保険は会社を設立してちょっとだけ給料を貰うことで大幅に削減できる可能性があります。個人のままだと前の年の収入に応じて保険料を支払わなければいけないですが、新しい会社で社会保険に入れば、あなたの給料の額で保険料が決まるからです。つまり、自分の給料を低く抑えておけば保険料を一気に下げることができるからです。また、妻を扶養に入れれば妻の年金も払わなくて済みます。そのおかげで僕は保険料の負担を1/3以下に削減できました。
会社を設立すると社会保険だけではなく、売上が上がった将来の税金も削減できます。こんなにメリットが多い会社を、独立当初から作ってみるのもおすすめですよ。