どうして法人は個人よりも経費にできるものが多いのか?

Last updated on 2023年1月23日 By 杉田健吾

前回前々回の記事で「個人事業主は経費にできるものが限られている」というお話をしました。「法人は経費にできるものが多い」という話もしましたが、「どうして法人は経費として認められるの?」と疑問を抱いた方も多いのではないでしょうか。

今回の記事では、元国税で現在はひとり起業家(ひとり社長)専門のお金と税のコンサルタントである僕が、「個人事業主は経費として認められないものも、法人であれば経費として認められる理由」を解説します。賢く節税をしたい個人事業主は、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。

今回の内容は

個人事業主と法人の経費の概念についてのちがい
個人事業主は、事業活動以外に「生活に使うお金」がある!
法人は、事業活動以外に「生活に使うお金」がある?

法人は社長であるあなたとは別物
法人とはなにか?
「法人≠人ではない」から私生活という概念がない

法人くんが使ったお金は全部経費になる!
法人くんと社長であるあなたは別物
法人くんなら車も家も経費にできちゃうって本当?

まとめ

 

個人事業主と法人の経費の概念についてのちがい

前回前々回の記事で「個人と法人の経費の概念についての違い」を書きましたが、なんとなくイメージがつかめてきましたかね?軽くおさらいしておきましょう。

 

個人=人、法人≠人である

 

個人と法人の一番大きなちがいは、「個人は人であるが、法人は人ではない」ということです。まずこのポイントをしっかりおさえておいてくださいね。

 

個人事業主は、事業活動以外に「生活に使うお金」がある!

個人の場合は「人である」という前提があるため、「人には必ず事業活動以外に生活に使う時間とお金がある」という前提で法律が作られています。なので、個人の場合は自分が使ったお金の中身を、「生活にかかるもの」と「事業にかかるもの」とに自分で明確に区分して、誰が見ても判断できるようにしておかないと必要経費には認めないよとされているって話でしたよね。

法人は、事業活動以外に「生活に使うお金」がある?

法人は事業活動以外に「生活に使うお金」があるでしょうか?
法人の場合は「人ではない」という前提がある以上、法人は生活をしていません。生活をしていないということは、生活に使うお金は存在しません。つまり、個人のように「生活にかかるもの」と「事業にかかるもの」がないということです。

法人は社長であるあなたとは別物

ここからは「法人は事業活動以外に使うお金がない」という話を掘り下げてお話します。法人は事業活動以外に使うお金がないという前提があるので、法人は個人に比べて経費になる範囲がゆる~いんです。

 

法人とはなにか?

まず法人とは、形式的な言葉で言うと「人ではないものの、法律により人格を認められ、法律行為を成すことができ、権利・義務の主体となりうる資格を与えられたもの」です。このブログをいつも読んでくださっている方の中には「うんうん聞いたことあるよ」と思ってくださった方もいらっしゃるかと思います。

「法人≠人ではない」から私生活という概念がない

つまり「個人と違って人ではない」ということはどうなるのでしたっけ?「法人は人ではないので、私生活という概念がない」ってことでしたね。例えるならば「事業活動をするために特別に作られたロボット」みたいなものですよね。

なので、この法人くんは社長であるあなたとは別物なんです。仕事で疲れたからって休む必要もないし、寝る必要もありません。いつまでも独身だと寂しいのでそろそろ彼女・彼氏が欲しいよ〜って婚活する必要もないし、恋人とデートする必要もないですよね。
法人って人ではないので、生活に時間もお金も使う必要はありません。要するに「法人は基本的には事業活動しかしない」という前提で法律が作られているということなんですね。

 

 

法人くんが使ったお金は全部経費になる!

法人は事業活動をするために特別に作られたロボットみたいなものですから、「法人くん」と呼ぶことにしましょう。

法人くんと社長であるあなたは別物

法人くんは社長であるあなたとは別物でしたよね。なので、実際にお金を使ったのは社長であるあなただったとしても、そのお金は「私とは別の法人くんが使ったお金です」ってなるんです。

さらにいうと、法人くんは基本は事業活動しかしないのだから、法人くんの事業に関連さえしていればすべて経費ですよねってなります。しかも、個人と違って直接的な関連性を求められず(※)、間接的にちょっとでも会社の事業に関連している経費であれば、会社の経費でいいですよ〜ということでしたよね。

 

※個人事業主の支出は、売上に直接的に貢献しているといえるものしか経費として認められないんです。詳しくはこちらの記事で解説していますので、読んでみてくださいね。

 

法人くんなら車も家も経費にできちゃうって本当?

法人くんであれば、こんなものだって経費にできちゃうんですよ。

・法人くんが、法人くんの名義で車を買うと全額経費にできる(減価償却費として)

・法人くんが、法人くんの名義で家を買うと全額経費にできる(減価償却費として)

・法人くんが買った家なら、家の中の基本の備品であるカーテンとか照明器具も経費になる

・法人くんが買った家のリフォーム代も経費になる

・法人くんが買った車の車検も修理代の経費にできる

・法人くんが買った車のスタッドレスタイヤも当然経費になる

 

ポイントは法人くんの事業にちょっとでも関連させればいいってことですよね。ここが法人のいいところですね。

 

まとめ

今回の記事では「個人事業主は経費として認められないものも、法人であれば経費として認められる理由」を紹介しました。
今回の記事のポイントは以下の3つです。

 

・個人=人、法人≠人の前提で法律が作られている

・法人くんは事業活動をするためだけに生まれてきたロボットのようなもの

・法人くんの事業にちょっとでも関連しているものは経費計上できちゃう

ということで、ぜひ節税脳を鍛えてどんどん賢くなっていただいて、法人くんという便利なロボットを上手に活用してくださいね〜。このブログではこんな感じで「ひとり起業家のためになる節税やお金を貯めるノウハウの話」をしています。気になる方はぜひ他の記事も覗いてみてくださいね。