ひとり社長は税理士に任せるな!

Last updated on 2023年10月11日 By 杉田健吾

前回のレクチャーでは、数字で考えることの重要性についてお話しました。一部の数字が苦手なひとり起業家の方には耳の痛かった話だったのではないでしょうか?でも、あなたのビジネスの将来を考えるのであれば、やはり数字で考えることをぜひ学んで欲しいと思います。

とは言っても、数字で考えるようになるためには何をしたらいいのかさっぱり分かりませんよね。そこで今回のレクチャーでは「数字で考えるためには、具体的に何をしたら良いのか」について紹介します。

今回の内容は

実践を制すものは数字を制す!
実践って何をしたらいいの?
他人事になっていませんか?

あなたの会社の数字を使って勉強しよう

会計ソフトを使って仕訳を入力してみよう

会計ソフトへ入力できるようになれば、あなたは数字を理解できるようになっている

数字に強くなるためには他人事ではなく自分事で実践を積むべし

実践を制すものは数字を制す!

やはり数字に強くなるためには、「実践」が一番です。一に実践、二に実践です。とにかく実践を積むしか方法はありません。

実践って何をしたらいいの?

「実践」と言っても何をしたらいいのか簡単にいうと、毎月数字を見ることです。「毎月」というと多くの起業家さんから「毎月ですか!?うちは年に一回しか領収書等の整理はしないのですが…。」という声をいただきます。非常にまずいです。致命的です。「頑張っても半年に一回、税理士さんに領収書等の束を送るだけかな」という方も重症ですよ。

半年に一回、年に一回しか数字を見ない、もしくは見たところで分からないから見たフリをしているうちは、どんなにビジネスの数字に強くなりたいと思っていても強くなれません。また、お金を手元に残したいと思っていても残りません。

節税や手元にお金を残すことに興味がないのであれば、数字を見るのは年に一回でもいいし、半年に一回でも構いません。しかし、節税に興味があるのであれば、節税と同じぐらい数字に対してももう少し興味を持ちましょう。

他人事になっていませんか?

はっきり言いますが、ビジネスの数字は他人事ではなく「自分事」で考えないと、一生分からないと思います。起業家のみなさんは売上を伸ばすことには「自分事」で考えて行動している方が多いはずです。でも、お金を守ることについては、どこか他人事のように考えている方が多いのではないでしょうか。

年に一回税理士さんに丸投げしていては一生分かりません。だからといって、簿記を勉強したり、会計や経理の本を買って勉強したりしたところで、一朝一夕では身に付きません。本を読んだり、会計セミナーなどに行ったりしても、なかなか身に付きませんね。やっぱり他人事は、所詮他人事なんですよね。そうではなくて、やっぱり「自分でやってみること」「自分事でやってみること」が一番学びになります。

あなたの会社の数字を使って勉強しよう

「簿記や会計の知識をつけても数字に強くなれないのであれば、じゃあどうしたらいいの?」とおそらく思われたのではないでしょうか。そんな時は、あなたの会社の数字を使って勉強したらいいんです。自分の会社の数字こそが最高の勉強材料です。目の前にこんないい勉強材料があるのに活用しない手はありません。

会計ソフトを使って仕訳を入力してみよう

「仕訳」というのは、複式簿記において取引を勘定科目に分類して記録することです。例えば、「1本120円のボールペンを現金で買った」という取引は「借方 消耗品 120円/貸方 現金 120円」という仕訳をきります。このような説明は、簿記を知らない人からすると、意味が分からなくて耳を塞ぎたくなるかもしれませんね。

でも、今は昔と違って「会計ソフト」というものがあります。会計ソフトを使えば、この仕訳をすごく簡単に入力することができるんです。最近では、レシートをスマートフォンのカメラで読み取ると、ソフトが自動で仕訳を入力してくれる機能がある会計ソフトだって存在します。会計ソフトを一度使ってみると分かると思いますが、「これは税理士さんいらなくなるわ」と感じると思います。

会計ソフトに1日5分〜10分入力すればいいだけです。毎日が嫌なら1週間に一回だけでもいいんです。それだけでかなりの数字が管理できます。ただし、最初は入力の仕方をちょっと勉強する必要があります。「このレシートの科目は何?」とか「これって経費になるの?」とか「売上の入力ってどうするの?」とか「分割払いの売上ってどう入力するの?」とか分からないことが多いです。でも、この分からないことが分かるようになることが、数字で考えるための第一歩です。

会計ソフトへ入力できるようになれば、あなたは数字を理解できるようになっている

慣れてきたら仕訳はワンパターンになるし、入力するスピードもどんどん早くなります。ワンパターンで入力ができるようになるということは、自分の会社の経営数字のパターンが分かりだしてきたということですよね。

自分で会計ソフトに入力することを最低でも1年続けてみてください。びっくりするぐらい自分の会社の数字に強くなりますから。その結果、数字で考える習慣が驚くほど向上していることを実感していただけると思います。

自分でやってみたあとで僕のレクチャーをもう一度読み返していただいたり、節税や経営の本などを読んでみると、その理解力が格段にアップしているんですね。なので、やっぱり自分でやってみることをそろそろおすすめします。

数字に強くなるためには他人事ではなく自分事で実践を積むべし

今回のレクチャーでは、「数字でビジネスを考えるようになるためにやるべきこと」を紹介しました。今回のレクチャーのポイントは次の3つです。

・数字でビジネスを考えられるようになるためには、実践を積むこと

・実践とは毎月自分の会社の数字を自分で確認すること

・会計ソフトの入力パターンを掴めば、自分の会社の数字のパターンが読めるようになる

今まで税理士さんに丸投げだったものを、コツコツ自分でやるなんてハードルが高いと思われるかもしれません。でも、あなたのそのちょっとした努力が将来の大きな違いを生み出しますからね。あなたが本気で節税をしたい、手元にお金を残したいと思うのであれば、少しだけ時間を作ってみてください。1年後にはびっくりするぐらい自分の会社の数字に強くなっていますからね。