法人なら飲み食いは全部交際費???

Last updated on 2023年8月25日 By 杉田健吾

これまでのレクチャーで交際費ネタを次々と書いてますが、だんだんと法人の交際費の考え方と、個人の交際費の考え方の違いが理解していただけているのではないでしょうか?これまで解説してきた通り、交際費っていろいろなことに使えて結構便利だと思いませんか?

でも10年ほど前までは、交際費ってこんなに便利な科目ではなかったんです。全額は経費にならなかったし、大企業はそもそも交際費が使えなかった。それが法改正されてとっても使いやすい科目に変わったんですね。

そこで今回は交際費の歴史とそこからわかる交際費に対する国の考え方について紹介します。この記事を読めば、これからあなたが何をすれば良いのかがわかりますよ。

今回の内容は

接待交際費の今と昔を比較
昔は今より接待交際費の枠が狭かった
交際費の限度額が800万円になったのは平成25年から
大企業の接待交際費が認められたのは平成26年から

交際費の歴史を知って国の考えを知る
景気を良くするために接待飲食代を使ってほしい
つまり接待交際費はあまり厳しく見ないということ

接待交際費をジャンジャン使って節税しよう

接待交際費の今と昔を比較

実は、法人の場合の接待交際費って、今は中小企業なら年間800万円までは経費になりますが、昔は経費にならない時があったって知っていますか?

昔は今より接待交際費の枠が狭かった

そもそも昔は、資本金1億円超の大企業は、食事会とか飲み会の支払いが接待交際費になると言われたらそもそも経費にならなかったですし、中小企業でも「社長、、、この飲み会の3万円の支払いは接待交際費になるので、その2割の6000円は経費ダメね」って言われる時代があったんです。

しかも接待交際費の限度って、今でこそ年間800万円ですが当時は300万円までとか400万円までしか経費にならなかったんですね。えっ?まじ?じゃあ起業家仲間と飲み会して5000円払ったら、1000円は経費ダメって言われたの?そうなんです。そんな時代があったんです。

交際費の限度額が800万円になったのは平成25年から

そもそも交際費の限度額が800万円になったのも、平成25年度の改正なのでたった10年ほど前ですし、その25年度の改正までは「社長、、、このスナックの支払いの5万円は交際費になりますよ!」って言われたら、10%の5000円は経費にならなかったんです。(まあ正確には経費なんですが、損金不算入ですって言われるってことですね。)

つまり交際費として年間300万円お金使ったら、その2割の60万円とかその1割の30万円とかが経費にならない時代があったんですね。これが、平成25年の改正で「社長!年間800万円までは会社で交際費としてお金使っても全額経費でいいですよ!」ってなったんですよ。これ嬉しいでしょ。

大企業の接待交際費が認められたのは平成26年から

しかもすごいのは、その次の年の26年度の改正で、今までいっさい交際費は経費として認めてもらえなかった大企業も、接待交際費のうち飲食費については半分は経費にしていいよ!ってなったんですよ。

これって実はすごいことで、大企業ってこの日本では30年間、交際費としてお金使ったら経費にならなかったんですね。だって大企業って、接待する側ではなく接待される側だから。それが、接待で使った費用の中の飲食費(接待飲食費)は50%まで経費にしてもいいよ!ってなったんです。

交際費の歴史を知って国の考えを知る

なんで国は平成25年、26年にわざわざ税収が減るような制度を作ったと思いますか?

景気を良くするために接待飲食代を使ってほしい

まあこれはある意味、そこまで景気が深刻だったってことですが。まあ簡単にいうと、世の中の景気が悪いから、みんなで接待飲食費としてお金じゃんじゃん使ってよ〜。バブル時代のように飲食街でみんなお金使ってよ〜。ってことですね。

何が言いたいかっていうと、このように法人の場合の交際費の制度の歴史を見ていくと、今の時代は中小企業なら(ひとり社長の法人も中小企業です)年間800万円までなら交際費としてお金じゃんじゃん使って経費にしていいよ!大企業なら接待飲食費として飲み食いにお金じゃんじゃん使ってくれたら、その半分は経費にしてあげるよ!って国が言ってくれているってことです。

つまり接待交際費はあまり厳しく見ないということ

これ裏を返すと、つまりあなたの会社が法人なら接待交際費になるような飲み食いにかかる支払いはあまり厳しく見ませんよって国が言っているってことですよね。だって国が交際費としてお金をもっと使ってよ〜って言っているんだから。

接待交際費をジャンジャン使って節税しよう

今回は交際費の歴史とそこからわかる交際費に対する国の考え方について紹介してきました。昔は交際費として使える金額って少なかったんですよね。今の半分くらい。しかも1割2割は経費として認められなかった。それでも良かったのは、景気が良かったからっていうのもあったと思います。

でも景気の停滞が長引いたので国も動いてくれたんですね。平成25年というと、ちょうどアベノミクスが始まったころです。法改正によって接待飲食費をジャンジャン使って良いよ~。だから景気を良くしてね~。って国が言ってくれているんですね。だからみなさんも接待交際費を使って上手に飲食費を経費にしてくださいね。

ということで、せっかく国が接待交際費を使って使って〜て言ってくれてるんだから、今日も僕はこれから接待交際費として友人とご飯行ってきま〜す。あっ、しかもうちの会社では、人と会うのも仕事だから友人とご飯も出張ですね。ん〜法人にとって今っていい時代になりましたね。ではでは。今日はこの辺で。