やっぱり恐るべきは税金だった?

Last updated on 2023年3月7日 By 杉田健吾

前回のレクチャーでは、役員報酬(お給料)にかかる社会保険料の負担について何も考えないで、役員報酬をどんどん上げてしまうと、かかってしまうマジックについてお話しました。気がついたら上限額の330万円も社会保険料を払うことになるよ!ということでしたね。

「役員報酬をいくらに設定するか?」については、ひとり社長にとっては、けっこう重要です!ここをきちんと考えておかないと「税金よりも重〜い社会保険料…払わされますよ( ̄O ̄;)」と前回お伝えしました。

今回は、ある一定のラインを超えると社会保険料よりも税金(所得税と住民税)の負担の方が大きくなるというお話をします。「ある一定のラインってどこ?」と気になる方はぜひ最後まで読んでみてくださいね。

今回の内容は

社会保険料の負担割合はどれくらい?
年収700万円程度までは3割程度
年収700万円を超えたあとの負担割合は下がる
年収1,600万円を超えたあとは負担額は一定

役員報酬を取りすぎると、税金でほとんど持っていかれる!
役員報酬を1億円もらうと税金はなんと4,800万円
年収1,600万円を境にして、所得税等と税金の負担額が逆転する
年収別の負担額のまとめ

まとめ

社会保険料の負担割合はどれくらい?

給料に対する社会保険の負担額って何割くらいだと思いますか?

年収700万円程度までは3割程度

実は年収700万円程度までは3割なんですね。あなたの年収(年間の給料の総支給額)に応じた社会保険料の負担額はこんな感じです。

あなたの年収社会保険料の負担額
100万円30万円
300万円90万円
500万円150万円
700万円210万円

社会保険料は労使折半なので、これらを会社と社員本人で半分ずつ負担してるってことです。

年収700万円を超えたあとの負担割合は下がる

ちなみに年収700万円を超えたあとの負担額はどうなるかというと、こんな感じです。

あなたの年収社会保険料の負担額年収に対する負担割合
800万円224万円28%
1,000万円240万円24%
1,600万円330万円(上限)19%

年収1,600万円を超えたあとは負担額は一定

年収が1,600万円を超えたあとは、年収が上がっても社会保険の負担額は上がらなくなります。例えば、役員報酬3億円の人でも、社会保険の負担額は330万円(1.1%)なんですね。

「え?年収3億円の人でも330万円なの?」と驚きますよね。そうなんです。年収に対する社会保険料の負担を割合にするとたったの1.1%。年収1,600万円の人も330万円…、年収3億の人も330万円…。

そうなんだ〜じゃあ役員報酬をめっちゃ高く取れば、なんかお得な感じが…( ̄▽ ̄)って思いますよね。でもね、ここにも実はマジックが隠されてます!

役員報酬を取りすぎると、税金でほとんど持っていかれる!

あなたがもし役員報酬を1億も2億も3億も取れるぐらい稼いでいたとしたら、まあ社会保険料330万円ぐらいは社会のために払ってあげようか?って思うかもしれませんよね。(さすが社長、太っ腹…笑)で、「俺って太っ腹!」って思いながら、役員報酬1億円ももらうと所得税等の税金っていったいいくらになると思いますか?

役員報酬を1億円もらうと税金はなんと4,800万円

ちょっと前に書きましたね。所得税等の税金の恐怖…。役員報酬を1億円ももらうと所得税+住民税がね、なんとね…なんとね…な、ん、と…、ね

ーーーーーーーーー

4800万円です!

ーーーーーーーーー

はあ〜?何それ?マジか!?そりゃないよ〜社長〜ですよね。しかも、社会保険は会社と社長が折半でしたが、所得税や住民税は完全に社長が払うもの…。

年収1,600万円を境にして、所得税等と税金の負担額が逆転する

実は、内緒なのですが、社会保険料が上限となる年収1,600万円を境にして、所得税等と社会保険料の負担額が逆転する仕組みになっているんですね。ほんと、法律を作る人たちってうまいこと考えますよね。そして、社会保険料は330万円が上限ですが(これ実はもっと減らす裏技がありますが…笑)所得税+住民税って上限がないんです。上限がないどころか年収が上がれば上がるほど、税率は上がる一方で、気がついたら最高税率55%まで行ってしまうと…。

年収別の負担額のまとめ

年収別にまとめるとこんな感じです。

あなたの年収社会保険料(負担率)所得税等の税金(負担率)
1,600万円330万円340万円
2,400万円(月収200万円)330万円(13.0%)660万円(27.5%)
3,600万円(月収300万円)330万円(9.1%)1,200万円(33.3%)
6,000万円(月収500万円)330万円(5.5%)2,600万円(43.3%)
1億円(月収830万円)330万円(3.3%)4,800万円(48.0%)
3億円(月収2,500万円)330万円(0.6%)2億7,000万円(54.0%)

こんな風に恐るべき状況にどんどんなっていくと…。税金…恐るべし…ですよね…。さすがにちょっとやり過ぎちゃうの?って言いたくなりますよね(笑)

なんか今日は数字ばかりでちょっと嫌になってきたかもしれないですね。いろいろと数字を羅列しましたが、今日はなにが言いたかったかというと、税金や社会保険の仕組みって知れば知るほど普通の人には分かりにくくなっていて、結果知らない者からうまいこと搾り取る仕組みなんだな〜ってことです。

まとめ

今回のレクチャーでは、具体的に数字を紹介しながら、年収に対する社会保険料と税金の負担について解説しました。今回のポイントは、次の3つです。

・社会保険料の負担額は年収1,600万円を超えると一定

・年収1,600万円を境に、社会保険料の負担額と税金の負担額が逆転する

・役員報酬を取りすぎると、税金でほとんど持っていかれる

だから僕は頑張ってるひとり起業家こそ、知らないままでなすすべもなく100%オレンジジュースのように搾り取られるのではなく、ちょっとでも知って、そして知った以上ちょっとでも賢くなってほしいと思っています。汗水垂らしてせっかく稼いだあなたの貴重なお金を、100%オレンジジュースのように搾り取られないようにしていこうよ!という思いから、一生懸命ひとり起業家のタメになる話を発信しています!気になる方は別のレクチャーも参考にしてくださいね。