持ち家は誰が持つ?法人名義で買うと節税効果が半端ない!

Last updated on 2023年2月17日 By 杉田健吾

最近の記事では、衣食住のうち一番お金のかかる「住宅」に関する支出について書いてきました。そして前回までの記事では、住宅のなかでも賃貸物件をいかに経費化するか?について書いてきましたが、ご理解いただけたでしょうか?

賃貸物件の節税方法を聞いたら、持ち家についての節税方法も気になったのではないでしょうか?そこで今回は、賃貸ではなく自分で自宅を買いたいときはどうすればいいのか?についてご紹介します。

今回の内容は

自宅を買うときは法人名義で
大きな支出は会社の経費で購入する
自宅の維持費や備品も経費にできる

法人名義は売却時にも節税効果を発揮
法人名義なら事業と損益通算できる
大きいものは会社で保有したほうが節税に有利

お金を守るために、税の知識を身に着けよう

自宅を買うときは法人名義で

賃貸ではなく自分で自宅を買いたいときはどうすれば良いのかについてですが、最初に答えを言ってしまいます。自宅を買いたい場合は、「法人名義で買うこと」をおすすめします。

大きな支出は会社の経費で購入する

会社を賢く活用して、社長の手元にお金を最大限に残す戦略というのは、基本的にお金のかかる大きな支出はできるだけ会社で払うということです。これが一番の基本です。だから前回までも自宅家賃みたいな生活で、一番かかるお金は会社に負担してもらえ!って言っていたのですね。

そのため、この考え方に照らし合わせるなら、自宅を自分で買いたいのなら、自分の会社で買ってしまいましょう!ということになります。会社で自宅を購入したうえで、賃貸の時と同じように社宅として社長が住めばいいということです。

え?そんなことができるの?って、できるんですよ。ちゃんと計画的にやれば、ですが。ちゃんと計画的にやれば、自宅を会社で買って経費化することも簡単にできてしまうんです。

自宅の維持費や備品も経費にできる

もちろん、自宅みたいな大きな買い物は一度で経費にはなりませんよ。減価償却という方法を使って、何年もかけて経費化していくことになります。それでも経費になるのだから、その効果は大きいですよね。(注:土地の部分は売却するまでは経費にはなりません)

しかも、家のような大きなお金のかかるものって、維持費も大きいじゃないですか?購入するときには「不動産取得税」「登録免許税」がかかります。買った後も毎年毎年「固定資産税」「リフォーム費用」「火災保険」等々いろいろとお金がかかります。こんなものはもちろん会社に負担してもらおうよ!って話です。

さらに会社所有の社宅であれば、家具やカーテンなどの基本的な備品は経費で買ってもいいんじゃないの?って話もありますよね。これ、個人の持ち家であれば、絶対に経費にはならないですよね。でも、会社の持ち家であれば、かなり経費にできますからね。この差は大きいですよ。

法人名義は売却時にも節税効果を発揮

法人名義で購入した家は、何年か住んだ後に家を売却することになったとしても、社長個人が所有しているより有利になるんです。

法人名義なら事業と損益通算できる

たとえば、大きな売却損が出てしまったとします。この家が社長個人の持ち家であれば「あ〜あ、損しちゃったよ〜」で終わりですよね。しかし、会社で持っている家なら、売却損を事業の利益と相殺できます。この効果は大きいですよね。これも大きな節税になります。

もしくは、その家を売って大きな利益が出た場合でも、会社に赤字が溜まっていたら、その赤字と相殺できます。その結果、家を売った利益には税金がかからないようにできるわけです。社長個人の持ち家ならこうはいきません。マイホームの場合3000万円の特別控除がありますが、それ以上の利益が出ればがっぽり税金で持っていかれます。

法人名義で実際に売却益が出る場合には、会社が赤字の時に計画的に家を売るってことになります。もっと言うなら、家を売って大きな利益が出そうなら、別に大きな損が出るようなものを用意して、計画的に利益を消すということが可能です。

大きいものは会社で保有したほうが節税に有利

このように、家のようなお金のかかるものは会社で持つようにしておけば、結果的にいろいろと税金対策に使えますよ!と言うことですね。そして、このようなことがわかってくると、「不動産投資」や「株式投資」など大きな利益や損が生じるものは、やはり法人で持つべきだなということがわかってくると思います。

お金持ちが、なんで会社を持ちたがるのか?その理由がだんだんとわかってきますよね。金持ち父さんのあの言葉どおりですよね。会社という法的な組織が持つ力を上手に利用すれば、とても早く資産を築ける。つまり、会社を持つことによって得られる税の優遇措置や保護といった知識を持っている人間は、サラリーマンや個人事業主と比べて恐ろしく早く金持ちになれるということなんですよね。

お金を守るために、税の知識を身に着けよう

今回は、賃貸ではなく自分で自宅を買いたいときはどうすればいいのか?についてご紹介してきました。その結論は「法人名義で購入し社宅として社長に貸し出す」です。会社で自宅を保有することで、自宅の購入資金だけでなく、維持費や備品も経費にできます。また、売却時にも事業との損益通算ができるので、節税の幅が広がります。

自宅に限らず大きい金額のもの、大きな利益や損が生じるものは法人で所有したほうが良い場合が多いです。法人になって税の優遇措置を使うことで、個人の力だけよりもお金を守る力を増やすことができます。そのためにしっかりと税の知識を身に着けていきましょう。

それでは今回はこの辺で。次回もお楽しみに。