年商3,000万円もあるのに?ひとり社長の税金が安い秘密

Last updated on 2022年12月7日 By 杉田健吾

前回の記事では、年商3,000万円のひとり社長の実態を少し書きましたが、とても優雅な生活でしたね。ひとり社長があんなに贅沢な生活をしているのに、社長個人が支払っている税金が安い理由とは何だと思いますか?ズバリ「ひとり社長は、自分で自分の会社(法人)を持っているから」です。

今回の記事では、元国税で現在はひとり起業家(ひとり社長)専門のお金と税のコンサルタントである僕が、なぜ年商3,000万円のひとり社長の税金は安いのか、その謎を解き明かします。賢く節税をしたいひとり起業家は、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。

 

今回の内容は

年商3,000万円のひとり社長は「2つの自分」を使い分ける
ひとり社長は「自分が会社のオーナー(出資者)」である
ひとり社長は「自分が会社の社長(経営者)」である
ひとり社長は会社のオーナーであり経営者

2つの自分を使い分けると税金が安くなる理由
①理由:自分の給料をコントロールできるから
②理由:「無税のお金」を自由に使いこなせるから

まとめ

 

年商3,000万円のひとり社長は「2つの自分」を使い分ける

ひとり社長は「社長という個人の自分」と「法人の自分」を上手に使い分けています。2つの自分を上手に使い分けて、税金をコントロールする術を持っているから、ひとり社長は個人事業主でいるよりも、圧倒的に税金を安くできるということです。「2つの自分とは???」となりそうなので、詳しく解説していきましょう。

 

ひとり社長は「自分が会社のオーナー(出資者)」である

株式会社であれば、必ず出資者(株主)がいます。ひとり社長の会社の株主は、社長ひとりであったり、社長とその家族のみであることがほとんどです。赤の他人が株主であることは滅多にありません。では、上場している大企業はどうでしょうか。

株主が何千万人といて、なにか意思決定をするためには「株主総会」を開いて、株主の承認を得ないといけませんね。なぜ株主の承認がいるかというと、株式会社は「株主のもの」だからです。株式会社である以上、会社は社長のものではなく株主のものなのです。しかし、ひとり社長自身が出資をして株主となることで、会社のオーナーとなることができます。

 

ひとり社長は「自分が会社の社長(経営者)」である

ひとり社長は、自分自身が会社の社長(経営者)ですよね。社長は「会社のため」に働いているので、もちろん会社から給料をもらうことができます。さらにひとり社長ですから、会社の経営に関わる戦略はすべてひとりで練りますよね。例えば、「この売上を生み出すために、この投資をしよう!」とかですね。

 

ひとり社長は会社のオーナーであり経営者

ひとり社長の「自分が会社のオーナー(出資者)」であり、「自分が会社の社長(経営者)」であるという特徴を活用すると、「会社のお金を自由に使える権限を持ったサラリーマン社長(雇われ社長)」という立場を作り出せるんです。サラリーマン社長なので給料はもちろんもらえるし、株主なので会社のお金を自由に使うことができるんです。2つのいいところが作用しあって、最強の立場ができあがるんですよね。

 

 

2つの自分を使い分けると税金が安くなる理由

「会社のお金を自由に使える権限を持ったサラリーマン社長(雇われ社長)」という立場がもたらす効果は、ズバリ税金が安くなることです。なぜ税金が安くなるかというと、2つの理由があります。

①理由:自分の給料をコントロールできるから

先ほど、社長は会社から給料をもらえるとお伝えしました。社長の給料のことを「役員報酬」というのですが、役員報酬は自由に設定することができます。自由に設定できるといっても、月々によって変えられるものではなく、毎月一定の額に設定しなければいけないといった細かいルールはありますが、その話はおいておきますね。

大事なポイントは、役員報酬をいくらに設定するかによって、社長個人の税金が決まるということです。役員報酬を毎月10万円にするのか、100万円にするのかによって、社長個人が支払う所得税、住民税、社会保険料の額が大きく変わってきてしまうんです。そして、忘れてはいけないもう一つの大事なポイントがあります。役員報酬の金額は、株式総会で株主の承認を得ないといけません。

ひとり社長は「社長」であり「株主」ですから、社長(または社長と家族)が承認すれば、役員報酬の金額はいくらだっていいのです。だから、自分で「ちょうどいい感じ」にコントロールして、社長個人の税金をできるだけ低く抑えることが可能なんです。

②理由:「無税のお金」を自由に使いこなせるから

会社を経営するうえで、お金を使うことは避けては通れない道です。ただ、会社は株主のものであるということは、会社のお金はもちろん社長のものではありませんよね。株主の承認なしにお金を使うことはできません。

しかし、「社長=株主」であれば、会社のお金を経費として自由に使える権限を持てるんです。会社の経費で使うお金は、まだ税金が課されていない状態、つまり「無税のお金」です。無税のお金をガンガン使いこなすことで、会社に課される税金を低く抑えることが可能なんです。無税のお金については、こちらの記事で詳しく解説していますのでぜひ読んでみてください。

まとめ

今回の記事では、年商3,000万円のひとり社長の税金が安い理由を紹介しました。税金が安いのにあんなにお金を持っている理由は、自分でちょうどいい感じにコントロールして税金をできるだけ低くおさえ、その上で自分の会社のお金を「税金を払う前に」経費として自由にバンバン使える権限を持っているからということでした。

つまり、ひとり起業家が「自分の会社」を持つと、こんなことが実現可能になります。

・「自分の事業の収入」と「自分個人の収入」を分離させることができる

・「自分の個人の収入」を「自分の会社からの給料」という形に変えることができる

・給料の金額を自分が勝手に自由に決めることができる

ということで、そろそろあなたも年商3,000万円超のひとり社長のように、自分の法人を所有して「税金をコントロールする力」を手に入れませんか?このブログでは、ひとり起業家であるあなたの人生にとって大きなプラスとなる知識やノウハウをお届けしています。気になる方はぜひ他の記事も覗いてみてくださいね。