【含み損編】社長なら無税のお金を使いこなそうぜ!

Last updated on 2023年5月22日 By 杉田健吾

少し前から「無税のお金を使いこなそうぜ!」というレクチャーを【〇〇編】とシリーズみたいに書いていますが、「旅費規程」「親族への役員報酬」「借金」「減価償却」とどんどんイメージを掴んでいただけましたでしょうか?

今回は少しレベルを上げて「含み損」の話をします。今回のレクチャー内容は少し難しいものとなっていますが、含み損まで理解できれば、あなたの無税のお金の理解度は完璧です!ぜひ最後まで読んでみてくださいね。

今回の内容は

含み損を理解しよう!
含み損って?
含み損を抱えた資産って?

含み損を抱えた資産を賢く活用しよう!
売却損を計上して赤字を作ろう
もうひとつ会社を作ろう
銀行から融資を受けよう

大事なことは節税対策に向き合うこと
守りの姿勢を大事にしよう
知らないものは搾取されていく

まとめ

含み損を理解しよう!

含み損ってあまり聞きなれない言葉ですよね。起業家の多くの方は含み損について知らないです。まず、含み損について簡単に解説します。

含み損って?

含み損というのは、所有している資産の値下がりにより生じる損のことです。

例えば、会社が土地や建物等を所有している場合のその土地や建物等の帳簿価格と時価との差額で時価の方が低い場合に、含み損がでます。つまり、その土地や建物等を売却すると損になるというケースですね。

含み損を抱えた資産って?

土地や建物等を売却すると損が出ることになる資産のことを「含み損を抱えた資産」といいます。今回はこの「含み損を抱えた資産」を賢く活用してまたまた無税のお金を作り出そうよという話です。

含み損を抱えた資産を賢く活用しよう!

先日、2代目の社長さんとお話しする機会がありました。「何かいい節税方法はないですかね」なんて雑談をしてまして、僕は、2代目の会社によくある含み損について話をちょっと振ってみました。

今回は分かりやすいように会話形式でお送りします。ぜひあなたもこの社長さんの立場になって、読んでみてくださいね。

売却損を計上して赤字を作ろう

僕「社長は2代目ですよね。今で創業何年目ですか?」

社長「50年以上です。」

僕「お〜、歴史がありますね〜。では、本社の土地建物は自社物件ですか?」

社長「そうですね。」

僕「含み損はどれくらいありますか?」

社長「???含み損?」

僕「そうです。含み損。」

社長「???」

やはり社長の頭の上にはハテナマークがたくさん。思っていた通りの反応でした。

僕「では、本社の土地建物を売却するといくらぐらいで売れそうですか?」

社長「う〜ん。たぶん今だったら8,000万円ぐらいでしょうか。」

僕「なるほど〜。では、その土地建物の現在の簿価はいくらですか?」

社長「簿価?」

僕「そうですね。簿価とは、直近のB/S(貸借対照表)に記載されている土地・建物の金額ですね。」

社長「なるほど〜。ちょっと待ってくださいね。1億8,000万円ですね。」

僕「なるほど。ということは、その土地・建物を売却したとすると8,000万円だから、1億円の赤字になると…。」

※簡単に表にすると、こんな感じですね。

B/S(貸借対照表)の金額1億8,000万円
時価(売却金額)8,000万円
売却損▲1億円

僕「では、この土地建物を売却してしまって、売却損を1億円計上すれば、大きな節税になりますね。」

社長「え?ええ?えええ〜?いやいや、そんなことできるわけがないでしょう。本社の土地建物ですよ?売ってしまったら、会社がなくなるじゃないですか?何言ってるのですか(怒)」

社長は僕の提案に困惑していましたが、僕は次なる提案をします。

もうひとつ会社を作ろう

僕「いやいや、売ってしまっても会社は無くなりませんよ。その土地と建物を借りることにしたらいいんじゃないですか?」

社長「いや、でも、さすがに他人の手に渡るのはちょっと…。先代からの土地建物ですから。」

僕「なるほど〜。それならもう一つ会社を作ってそこに売却するというのは?」

社長「ええ?もう一つ会社を作る?意味がわかりませんが?」

僕「いやいや、社長がもう一つ会社を作って、その会社に本社の土地と建物を売却するのですよ。そして、その会社で本社の土地と建物を管理することにしてしまえば?つまり、資産管理会社を作って、本社の資産を管理するっていうあれですよ。」

僕「大企業の社長が裏でこっそり資産管理会社を作って、色々とやってるあれ。ひどいところになると、自分の娘をその資産管理会社の役員にして、役員報酬を出しまくってしっかり相続税対策までしてるって、あれですよ。」

なんて話を社長としていたんです。

銀行から融資を受けよう

僕「娘の話はいったん置いておいて、話を元に戻します。本社の土地と建物をその資産管理会社に売却して、今度は本社が、その土地と建物を資産管理会社から賃借する形態をとればいいですよね。こうすることで、本社に1億円の売却損を計上することができ、売却後も土地と建物の実態は何も変わらずに本社が使用できます。」

僕「しかも、この売却損ってお金が出ていかない損失なので、節税効果は抜群なんです。1億円も損失が計上できたら、今後何年分の利益を消すことができますかという話ですよね。」

社長「確かに…。でも、そんなこと言ったって、資産管理会社を作ったとしても、その会社にお金がないから、本社からその土地と建物を買うお金なんてないですよね?」

僕「そうですよね。だから、それを銀行から借りるんじゃないですか?本社が保証してね。そうすれば、本社に1億の売却損が計上できて、ものすごい節税効果はありますし、さらに土地建物を売却した代金の8,000万円の現金も入ってきます。

僕「さらに、売却した後は本社がこの資産管理会社から土地と建物を借りることにするので、本社ではもともと経費化できていなかった土地の取得費用も、結果として「賃借料」として経費化できます。一石二鳥の節税効果ですよね。」

僕「さらに前の年に法人税を払っている会社なら、中間申告といって先払いしている税金があるはずなので、最終的な決算を赤字にできればこの中間申告で払った法人税も返ってくると。この取引スキームでいったいいくらのキャッシュが生み出せるでしょうね。」

なんて話を1時間以上していましたね。社長は目を丸くさせて「ちょっと会計士に聞いてみます!」って喜んで帰って行きました。

大事なことは節税対策に向き合うこと

どうでしたか?含み損を活用した無税のお金の作り方、なんとなくお分かりいただけたでしょうか?

この話は、あくまで理論上は可能な話ということですが、このような手法を使ってガンガン節税している会社も実際にはいっぱいあります。注意点は何点かありますが(100%子会社にしない等)、これも知ってるか知っていないか?そして、やってみるかやってみないかだけの違いなんですね。

守りの姿勢を大事にしよう

結局何が言いたいかというと、法人を賢く活用することを覚えると、こんなことが可能になるんです。

・節税に限らず自分の資産をいろんな形で守ることもできる

・会社のお金を賢く手元に残すことに社長の意識がだんだんと向かうようになる

・結果的に社長の経営に関するお金の流れを読む力が知らず知らずにアップしていく

つまり、経営者としての守りの部分の力がどんどん強くなっていくって話ですね。

知らないものは搾取されていく

実は、大企業になればなるほどこういった節税対策を徹底して考えています。節税対策を考える部署や専門チームがあるぐらいです。なので、大企業の税負担率ってかなり低いんですね。

資本金100億円以上の大企業の税負担率は、あの手この手を使ってるので実質は10%台みたいです。これに対して、資本金1,000万円以下の小規模な会社の税負担率が30%台になってるといった統計もあるみたいですしね。

やっぱ経営者たるもの、節税対策に強くなりたいですよね。

まとめ

今回のレクチャーでは、含み損を活用した無税のお金の作り方を紹介しました。今回のポイントは次の3つです。

・含み損とは、資産の帳簿価額と売却価額との差(帳簿価額>売却価額)

・含み損と借金をダブルで活用すれば、かなり多額の無税のお金を作ることが可能

・節税対策を知っているか知らないかでまわりとかなりの差がつく

今回のレクチャーは少し内容が重すぎましたね。失礼しました。ちょっと意味不明だったかもしれませんね。わけわからなかった方、すみません。こんな便利な使い方もあるよ〜ということだけを覚えておいてくださいね。