税の世界のまやかしに注意してね^^

Last updated on 2023年6月21日 By 杉田健吾

前回のレクチャーでは、お金があなたの手元に残る節税をしっかりやりましょうね。という話をしました。しかしちょっと節税の勉強をされた方の中には、経営セーフティー共済とか一部の生命保険など(生保は規制されましたが)はどうなのって思われる方もいるようですね。これらは支払った時は全額経費になって、しかも積み立てになっているからお金が残る節税なんですよね?っていう疑問ですね。これ、あなたはどう思いますか?

そこで今回は、経営セーフティー共済や一部の生命保険のような積立ができる経費についてお話ししていきます。

今回の内容は

経営セーフティー共済などはお金が残る節税なの?
支払った経費が戻ってきたら収入に
税金の繰り延べには使えるが資金拘束のデメリットも

経営セーフティー共済などのご利用は慎重に

経営セーフティー共済などはお金が残る節税なの?

僕はお金が手元に残る節税方法をおすすめしていますが、経営セーフティー共済などの掛け金はお金が手元に残る節税方法と言えるのでしょうか?

支払った経費が戻ってきたら収入に

えっ?これって掛け金を支払った時に経費になったのに、その掛け金が積み立てになっているからお金が残る節税なんじゃないの?って多くの方は思っているんじゃないでしょうか。でもね。これは税金というものを表の部分でしか見てないんです。

巷にある節税商品の多くは、本当に節税効果があるものってほとんどないんです。これはなぜかというと、税の世界では支払った時に損金(経費)になったものは、戻ってきた時には益金(収入)になるという大前提があるからなんですね。

経営セーフティー共済とか一部の経費になると言われてた生命保険なども同じです。確かに支払った時には経費になるので、その時には税金はかかりません。そのため節税になった気がするんですよね。でも、満期や解約して返戻を受けた時には、その受け取ったお金が売上と一緒で会社の収入になるので、その時に税金がかかるんですよ。知ってましたか?

税金の繰り延べには使えるが資金拘束のデメリットも

だからトータルで見たら何も節税になっていないというわけです。なので、これらの節税商品ってあくまでも税金の繰り延べでしかないですよ〜ということを覚えておきましょう。しかも、全額経費になるからって多額のお金を支払ってしまうと、そのお金は一定期間は拘束されて勝手に使えなくなりますからね。これって正直、僕はあまりメリットを感じないんですよね。

ただし、一応は税金の繰り延べになっています。つまり税金がかかる時期を後ろに遅らせていることにはなってるので、そこをちゃんと理解した上で必要なものを必要な時に買うのはありだと思います。しかし、多くの方がそこまで理解せずに全額経費になるからという甘い言葉に惑わされて加入しているケースが多々あるように思います。その辺りがちょっと気になったので書いてみました。

経営セーフティー共済などのご利用は慎重に

今回は、経営セーフティー共済や一部の生命保険のような積立ができる経費についてお話ししてきました。このような積立ができる経費は、支払い時には経費になりますが、受け取り時に収入になるという大前提があります。また、一定期間資金が拘束されるので、経営の資金繰りが悪化しないように注意しましょう。

経営セーフティー共済などでできる節税としては、利益が多く税率が高い時に支払いをして、赤字の時や税率が少ない時に解約する方法です。そうすることで実効税率の差だけ節税ができます。

ただし、以前のレクチャーでも書いたように法人はそもそも赤字を10年間繰り越せますし、欠損金の繰戻還付なんかもあるので使い道は限定的です。また、黒字の時に解約すると税率が上がり逆に増税になることもあるので注意しましょう。なので、節税という言葉にだまされず、本当に必要な商品なのかをしっかり考えましょうね。

税の世界は奥が深いです。ただし、その本質をちゃんと理解すると何がまやかしで何が本当かがだんだんと見えてきます。だから経営者自身がある程度知る努力をする必要があると僕はものすごく感じてます。なので税の世界のこと、僕と一緒に学んでいきましょうね。それではまた。