スーツ&ジャケットは経費?やっぱり聞きたい、スーツは経費?

Last updated on 2023年3月29日 By 杉田健吾

先日も飲み会の席で「男性のスーツは経費?」「女性の洋服は経費にできないの?」という質問。またまた聞かれてしまいました。この話題は、みなさん本当に興味あるのですね〜。なんども聞かれます。なんども聞かれるので、僕もなんども書きます。だって、一回書いたぐらいではみなさん見ないし、見たとしても忘れてしまいますからね。

実は、スーツを経費にできるかどうかは、その人の状況によって変わってきます。事業に必要であれば経費にできますし、必要となる根拠が薄ければ経費にできません。

そこで今回は、どのような場合にスーツを経費にできるのか具体的な例を挙げて紹介していきます。

今回の内容は

スーツを経費にできる例とできない例
士業の人ならスーツを経費にできる可能性が高い
サラリーマン大家のスーツはきびしい
融資交渉用のスーツがダメというわけではない

経費にできるかどうかは根拠次第

節税脳を鍛えて経費にする根拠集めをしよう

スーツを経費にできる例とできない例

スーツを経費にできるかできないかは、その人の状況によって変わってきます。例えばこんな場合はどうでしょう。

士業の人ならスーツを経費にできる可能性が高い

例えば、先日スーツの質問をしてきた人は士業の方だったんですが、この方の場合はスーツを経費にできるでしょうか。みなさんはどう思いますか?僕の見解は、「士業の方なら問題なくスーツを経費にできる」です。

士業の方って、普通はスーツを着て仕事していますよね。仕事着がスーツというイメージが一般的に定着しています。というか、士業の方がジーンズとTシャツで打ち合わせに来たら、ちょっと引いちゃいませんか?まあ、士業の方でも自分のブランディングのためにジーンズを履いているなら、それはそれでありなんですが。

でも、一般的にみて普通は、通常は、基本的には、世間的には、士業の方はスーツを着ているのが当たり前の世界ですよね。だから、士業の方のスーツは当然経費ですよね。実際にスーツを着て仕事をしているのですから。「経費にならない」なんて言われると「なんだと〜」って言いたくなりますよね。

サラリーマン大家のスーツはきびしい

じゃあ、ちょっとパターンを変えて、サラリーマンの方で兼業で賃貸不動産をいくつか所有していて、ひとり会社で賃貸経営している場合はどうでしょう。この社長が買うスーツは会社の経費になるでしょうか?あなたならこの社長のスーツ代は経費にできると思いますか?

例えば、この社長が次のような理由でスーツを経費にしようとしたとします。「投資物件を買うためには融資を受ける必要があり、銀行から融資を受けるためにはスーツを着て融資交渉に行く必要があったんです。」どうですか?う〜ん。なかなか頑張って考えたなあ〜って思いますが、この理由ではき・び・し・いですよね。

実際に僕の知り合いで、このようなサラリーマン大家さんがスーツを全部会社の経費にしていて税務調査でアウトだったってことがあります。士業の方のスーツとサラリーマン大家のスーツの違いがわかりますか?

二人の違いは、世間一般的に見てサラリーマン大家さんにそこまでスーツの必要性を感じないからです。銀行に融資交渉するためにスーツを着るかもしれないけど、それって日頃のサラリーマンの時に着ているスーツでいいじゃん。わざわざ銀行の融資交渉のために買ったスーツじゃないでしょ?社長、あなたの主張って、それ屁理屈ですよね?ってなりますよね。

まあ実際にその社長も、やっぱダメかな〜って思いながら、正直自分でも屁理屈だと思っていたので、そう言われたら反論できなかったんです。その結果、スーツの経費はすべてダメになったわけです。

融資交渉用のスーツがダメというわけではない

でも同じ銀行に融資交渉に行く必要があった、飲食店を経営する社長だったらどうでしょう。日頃はスーツなんか着ないのに、この銀行の融資交渉のためにわざわざちょっといいスーツを買って、真剣に銀行の融資交渉に臨んだとしたらです。そして、その融資交渉の後はこの買ったスーツをまったく着ておらず、クローゼットの中に銀行交渉用スーツとして防虫剤のムシューダを入れてきちんと保管していたらどうでしょう。

もしあなたが税務調査でこの融資交渉用のスーツは経費にならないですね!なんて言われたら「なんだと〜〜〜!!!(怒)」ってなりませんか?思いっきりその調査官に反論して、実際の使用状況や保管状況、購入した経緯などを説明して経費に認めさせる自信ありますよね。「それは屁理屈でしょ?」なんて言わせないですよね。だって屁理屈じゃないし、本気だし。

経費にできるかどうかは根拠次第

サラリーマン大家のスーツと飲食店経営の社長のスーツの違いがわかりますか?わかってもらえますよね。この違い、結局はどれだけ根拠があるのか!そしてその根拠に自信があるのか!ってことですよ。結局、スーツにしろ、洋服にしろ、バッグにしろ、時計にしろ、etc、経費にしたかったら、会社の事業のために、自分のビジネスのために、このスーツが、この洋服が、このバッグが、この時計が、必要だったんだという根拠を提示できれば良いんです。

あなたがセミナー講師なら、セミナーであなた自身を素敵にブランディングする必要があるという根拠。そして、実際にセミナーでその洋服を着こなし素敵にアクセサリーをつけて颯爽と自分を演出しているという事実。あなたがコンサルタントなら、クライアントさんの安心と信頼を得るために、さらにはあなたらしい存在感を醸し出すために、そのスーツやジャケットがどれだけ効果を発揮するか、どれだけ役に立っているか!

このような根拠をどれだけ作れるか?また、そこまで大きな理由や根拠はなかったとしても、実際に仕事で使って役に立っているという事実をどれだけ積み上げられるか。そして、その根拠が単なる屁理屈じゃなくて自分が自信を持って主張できるものか!ここが経費にできるかできないかの分かれ目ですね。

節税脳を鍛えて経費にする根拠集めをしよう

今回は、どのような場合にスーツを経費にできるのか具体的な例を挙げて紹介しました。3人の例を紹介しましたが、違いがお分かりいただけたでしょうか?このように、同じスーツを同じ場所で使用しても、その人の状況によって経費にできるかできないかは変わってきます。

これはスーツに限ったことではありません。バッグやアクセサリーでも、それが事業に必要不可欠な根拠が提示できれば経費にできるのです。つまり、できるだけ多くのものを経費にしようと思ったら、根拠集めが必要です。そのためにも日頃からの節税脳を訓練しておかないといけないですね。

それではまた。