節税対策という甘い言葉に騙されるな!

Last updated on 2023年4月28日 By 杉田健吾

事業でちょっと儲かってくると節税対策の方法って気になりますよね。そして気になり始めると節税対策という甘い言葉で近寄ってくる人がたくさん現れるんです。そんな時は節税の本来の目的を思い出しましょう。節税の本来の目的は「お金を手元に残すこと」でしたよね。

今回は、節税対策という甘い言葉に騙されないために僕に起こった実例を紹介します。手元にお金が残る節税を心がけましょう。

今回の内容は

節税になるという甘い言葉で近づいてくる営業マン
ワンルームマンションは節税になる?
赤字になればなるほど節税できると主張
家賃保証がついているから安心?

節税になるという甘い言葉にはご注意を

節税できても赤字の事業では意味がない

節税になるという甘い言葉で近づいてくる営業マン

僕は以前サラリーマンをしている時、ワンルームマンション投資を不動産会社の営業マンから勧められたことがあります。その時の話をかいつまんで紹介します。

ワンルームマンションは節税になる?

ワンルームマンションの営業を受けた時、営業マンがやたらと「節税対策になりますから」という言葉を連発していたのを覚えています。その時この言葉を何回言われても僕はしっくりきませんでした。でもこの営業マンいわく、「このワンルームマンションを3000万円で買ってもらって、賃貸物件として貸し出せば不動産所得は赤字になるので、サラリーマンの給与から引かれた所得税が還付されますよ。」ということです。

赤字になればなるほど節税できると主張

建物を毎年減価償却するので家賃収入があっても赤字になることは理解しています。しかし営業マンの説明がいまいちだったので、僕はちょっと突っ込んで聞いてみたんです。「じゃあさ〜、この物件を貸し出してなかなか借り手が見つからなかったらどうなるの?」って。そうしたら「それだったら赤字がさらに大きくなるのでもっと税金が還付されますよ。すごい節税対策ですよ!」って言うのですね。おいおい、ふざけるな〜ですよね。

借り手がいないってことは、その不動産からの収入がないってことですよね。ということは、その借り手がつかない期間は赤字も赤字。明らかにキャッシュフローも赤字になってる状態です。もしこのまま借り手がつかなければローンの返済ができなくなって俺、破産するやんってね。そうならないために、やるなら黒字にしたいに決まってるじゃないですか。すごい節税効果なんて、ふざけるな~ですよね。

家賃保証がついているから安心?

借り手がつかない物件を売ろうとしてるんかい?って突っ込もうとしたら、次にこんなことを言ってきました。「いや、10年間はうちの会社が70%の家賃保証していますから安心ですよ。」ですって。どう思いますか?

「じゃあ、10年後はどうなるの?家賃保証って、私が銀行から借りた3000万円を、おたくの会社に払った3000万円を使って、私にちょっとだけ返してるだけと違うの?そもそも、その家賃保証っていくらくださるの?」「え〜と、家賃相場が10万円なので7万円保証ですね。」とのことです。それなら安心だな~ってなりますか?

節税になるという甘い言葉にはご注意を

だから僕はこう質問したんです。「ほう。じゃあ、7万円×12ヶ月で年間84万円ですね。この10年分の840万円は保証するけど、それ以上は保証しないよ!ってことですよね。つまり僕の払った3000万円から840万円を差し引いた2160万円があなたの会社が契約と同時に得た収入ってことですよね?つまりおたくの会社は、この物件が2160万円で売れたら元が取れると考えてるわけですね?だからそこまでは家賃保証をつけましょう!って言ってる。そして、残りの

  • 金利リスク
  • 家賃の値下がりリスク
  • 借り手のつかないリスク
  • マンション自体の価値が下がるリスク
  • 修繕リスク
  • などなど

これらの全部を買い手である私に背負えって言ってるんですよね?」って。そうしたら無言になって、最後には「ごちゃごちゃ言うあなたにはうちの物件を買う資格はありません。」って言われてしまいました(笑)。

おいおい。そもそもそこまで考えてくれてない業者さんから、投資物件としてこんな高いもの買えないですからって話ですよね。なお、このように具体的に数値計算をして、それでも黒字にできる確証があり、節税にもなるならチャレンジしても良いかもしれません。しかし、ただ節税になるからという理由だけで、赤字の事業を増やしても手元からお金が減っていくだけですからね。甘い言葉に気を付けてください。

節税できても赤字の事業では意味がない

今回はワンルームマンション投資を例に、節税対策という甘い言葉に騙されてはいけませんよ~という話をしてきました。節税できても赤字の事業を増やしたのでは、手元からお金が出ていくので意味がありません。このようなことがあるので皆さんも「節税対策になりますよ〜」って甘い言葉にはくれぐれも注意してくださいね。

なお、今回はワンルームマンションという大きな買い物なので、慎重に考える人も多いと思います。しかし数万円、数十万円ならどうでしょうか。節税になるなら、事業に必要ないけど買ってしまえという人もいるのではないでしょうか。そこが大きな落とし穴です。節税するときは金額に関係なく、本当に手元にお金が残るものなのかを考えましょう。自分で理解できないものには手を出さないのが一番です。

それではまた。

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