赤字になると経費は使ってはダメなの?
Last updated on 2023年9月19日 By 杉田健吾
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会社が赤字になると会社が潰れるから、経費を削減しないといけないと思っていませんか?しかしその考え方は間違っているかもしれません。その考え方は、大きい企業なら当てはまるのですが、ひとり起業家や親族経営の会社では、赤字のほうが都合が良い場合もあるんです。ひとり起業家が大きい企業と同じ考え方をしていたら、いつまでたってもお金が増えていきませんよ。そこで今回は、ひとり起業家の会社が赤字になっても経費を使っていい理由を紹介します。
赤字になったら経費は使わないほうがいいの?
先日またまたこんなことを聞かれました。「このコロナの影響で売上が減って、今期は赤字に転落しそうです。そこで税理士さんに相談したら、赤字になるならもう経費を使ってはいけませんよって言われました。これって本当なんでしょうか?」
赤字になると会社が潰れる?
う〜ん、まあこれは正解でもあり不正解でもありますかね。これは経営者の立場から会社の経営を考えた場合、赤字になっているのってよくないですよね。というか、赤字が垂れ流しの会社だったらいずれ潰れますよね。だって赤字ってことは、売上より経費の方が多いってことですからね。つまり会社のお金がどんどん減っていくってことですからね。
大きい会社とひとり起業家の会社では赤字の考え方が違う
でもね。赤字だからいずれ潰れてしまうっていう考え方って実は大きい会社を考えたときの話なんです。ひとり起業家が会社を持った場合は、この考え方がちょっと変わります。ひとり起業家が会社を持つって、結局は自分の会社で自分自身じゃないですか。つまり、会社は別人格として自分とは別の人として認めてもらえますが、その実態は同じで結局はあなたのものですよね。
ひとり起業家なら法人の赤字だけを見てはいけない
ひとり起業家の会社で個人と法人が実質は同じ、となるとさっきの考え方がちょっと変わって、できるだけ法人のほうは赤字にしておこうかなってなる。だって、あなたの会社がなんぼ赤字になったって、あなたの手元にお金が残っていけばそれでいいんですからね。
ひとり起業家は法人と個人を合わせて考える
ひとり起業家の場合、形式上は法人と個人の2つの財布がありますが、結局は1つの財布ですからね。だから法人か個人かどちらかにお金が残っていけばいいという考えになるんです。つまり法人と個人と合わせたところでお金が増えていくようになってさえいれば、法人は別に赤字だって構わない。いや赤字になっていた方が法人税かからないし、都合がいいかもしれないですよね。そして法人なら赤字は10年も繰り越せますからね。こんないい制度を使わない手はないでしょ。
大きい企業とひとり起業家を一緒に考えてはダメ
なので最初のご質問のように「赤字になったら経費を使ってはダメなの?」の答えは、大きい会社の場合はダメってことです。社員が経費を垂れ流すように使っていたら、これはきちんと社長が管理してセーブしないと会社潰れるよという話です。
ひとり起業家の会社や親族だけの小さい会社では、いかに法人と個人のバランスをとるかの方が大事です。いかにバランスをとって税金等を最適化して自分の手元にお金が残るように仕組むか、ここを賢くデザインするのが楽しいんですからね。
なのでひとことで会社、会社、法人、法人って言ったってその規模によって経営者、社長の考え方はまったく違ってきますし、そもそもひとり起業家の会社って一般的な中小企業と同じように考えていたらお金がどんどん無くなりますからね。
ひとり起業家なら個人と法人のバランスを大事にしよう
今回は、ひとり起業家の会社が赤字になっても経費を使っていい理由を紹介しました。会社が赤字だから経費を削減しなければいけないという考えは、大きな企業なら正しいのですが、ひとり起業家では正しくない場合があります。
なぜなら、ひとり起業家の法人は社長個人とほとんど変わらないからです。そして、法人と個人が同じなのであれば、法人が赤字でも個人が大きく黒字ならトータルで黒字となり全く問題がないんです。むしろ法人を赤字にしておいた方が、法人税がなくなりお金が増える場合もあります。
なので赤字が良いか悪いかは法人によって違いますし、状況によっては赤字の方が良い場合もあるんですね。赤字がダメだって言っている人がまわりにいても、あなたの状況を知らずに好き勝手に言っているだけなので、あまり信じちゃダメですよ〜。それではまた。