利益とキャッシュって何が違うの?
Last updated on 2023年12月20日 By 杉田健吾
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突然ですが、あなたは自分のビジネスの儲けをどうやって計算していますか?というよりも、あなたの会社の儲けっていくらなのかをちゃんと計算していますか?
今回のレクチャーでは、あなたがビジネスの儲けを知るべき理由をお話しします。ビジネスの儲けをしっかり知れば、今以上に手元にお金を残すことができますよ。
あなたのビジネス、どれくらい儲けてる?
あなたのビジネスの儲けってどれくらいですか?すぐにパッと答えられますか?もうすぐ1年も終わろうとしていますが、今年1年でどれくらいの儲けがでましたか?
「儲け≠利益」である
先ほどから「儲け、儲け」と繰り返しいっていますが、「ん?いったいこの儲けってなんだ?」って思いません?一般的には儲けとは、利益だと考えるかもしれません。しかし、僕が考える儲けとは、「利益」のことではありません。「社長の手元にいくらお金が残ったか」という意味なんです。
「儲け=キャッシュ」である
僕が考える儲けとは、あくまでもお金、キャッシュのことを指します。キャッシュをいかに自分の手元に残すかということにフォーカスするようになると、何か違うものが見えてくるようになるんです。
利益とキャッシュの違いを知ろう!
会計でいう「利益」と「キャッシュ」は違います。「???」となるかもしれませんね。あなたが個人で事業をしている場合で考えてみましょう。
個人事業主のお金の流れとは?
個人事業主のお金の流れは、「売上」から「経費」を差し引いたあとの「利益」の中から自分の生活費を払うというものです。
例えば、売上が1,000万円で経費が600万円だった場合、利益は400万円です。この利益400万円の中からあなたの生活費を払います。今、あなたの生活費が年間300万円かかっているとすると、あなたの手元に残るお金は100万円ですよね。
もし生活費が300万円では足りなくて、400万円かかってるとしたら…あなたの手元に残るお金はこうなります。
売上 1,000万円
経費 ▲600万円
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利益 400万円
生活費▲400万円
つまり”0”ですよね。ビジネスで稼いだ利益400万円を全部生活費として使ってしまっていることになります。しかし、いくらこの400万円を生活費として使ったとしても、あなたの利益400万円っていうのは変わらないんですよ。利益は400万円のままなんですね。
つまり、あなたの生活費はあなたのビジネスの経費にはならないので、いくら使っても利益は減りません。全部お金を使ってしまって手元にキャッシュが残ってなくても、利益は400万円のままということです。
400万円に対して払う税金ってどれくらい?
2月に確定申告をすると、この利益400万円に対して税金を払えと言われるんですね。各種控除が100万円あったと仮定すると、税金の対象となる利益である「課税所得」と呼ばれるものが300万円となります。その結果、税金は国税と地方税等をあわせて60万円くらいです。
お金は全部生活費として使ってしまったので、「いまさら税金60万円なんて払えないよ」となるかもしれませんが、利益とはそういうものなんですね。ここが理解できると、利益とお金の関係がだんだんと見えてきます。つまり、「利益=お金(キャッシュ)ではない」ということですね。
賢くお金を残す方法はただひとつ
「じゃあどうやってお金残していくの?」と疑問に思うかもしれませんが、僕のレクチャーをいつも読んでくださってる方はお分かりですね。そうです。いよいよここで「法人を賢く活用しようよ」となってくるんです。
法人と個人事業主では「お金の流れ」が全く違います。ここでは簡単に説明しますが、個人事業主の場合、「稼ぐ→税金を払う→お金を使う」であるのに対し、法人の場合は「稼ぐ→お金を使う→税金を払う」なんです。このお金の流れについては、かの有名なロバート・キヨサキの著書『金持ち父さん貧乏父さん』でも書かれています。
法人のお金の流れを賢く上手に活用して、キャッシュを残していくんです。どうやって活用するかについては、長くなってしまうので、つづきはまた今度お話するとしましょう。
キャッシュを残すことがなによりも大切!
今回のレクチャーでは、利益とキャッシュの違いを説明しました。今回のポイントは次の3つです。
・儲けとは、利益ではなくどれだけキャッシュを残せるか
・個人事業主と法人のお金の流れは違う
・キャッシュを残したいのではあれば、法人のお金の流れを活用すべし
ぜひ「いかに利益をだすか」よりも「いかにキャッシュを残すか」にフォーカスして、手元にお金を残していきましょうね。そのためには法人化(法人成り)して、法人のお金の流れを賢く活用する必要があります。まずは法人化することからはじめましょう。