個人事業主と法人どっちが経費で得をするか知っていますか?
Last updated on 2023年1月19日 By 杉田健吾
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あなたは、個人事業主と法人のどちらが「経費で得をする」と思いますか?
よく「個人事業主は何でも経費にできる」と言っている人を見かけます。でも実は、まったく違うんです!今回の記事では、元国税で現在はひとり起業家(ひとり社長)専門のお金と税のコンサルタントである僕が、「個人事業主は何でもかんでも経費にできない」という事実を赤裸々にお伝えします。
賢く節税をしたいひとり起業家は、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
法人の経費の範囲って厳しいの?
先日、ある起業家の方から「法人にすると経費の範囲って厳しくなるんですよね?」と聞かれました。「えっ?それって誰が言ってました?」と聞くと、税理士さんから釘を刺されたようでした。
個人事業主は何でもかんでも経費にできるって本当?
このブログを読んでいただいてる方はもうお分かりですよね。そんなことはない!と。まあよく税理士さんは。次のように言いますね「個人だと結構何でもかんでも経費にできるけど、法人だとそうはいかないよ」って。ある意味正解ですが、ある意味間違っています。
勘違いしている人は本当に多い!
僕はいろんなところで、こんなことを聞かれます。
・サラリーマンの方からは「個人で商売してる方は何でも経費になるから得ですよね」って言われる
・ある個人事業主の方からは「領収書があれば何でも経費になるんですよね」って聞かれる
・かなりの事業規模でビジネスをしている個人事業の方からも、「会社(法人)にすると交際費の範囲がかなり狭くなるのですよね」と聞かれる
やっぱりまだまだそういう認識なのね…、とびっくりしてしまいましたが、あらためてもっともっときちんと伝えていかないとなって思いました。もうこのブログでなんども書いてますが、個人事業主はなんでもかんでも経費にできるというのは……まったくもって逆です!
個人事業主の経費って?
個人事業の場合、利益は次の算式で計算します。
収入ー必要経費=利益 |
必要経費ってなに?
必要経費というのは、所得(利益)を生み出すために必要な経費のことをいいます。個人事業の場合は「経費」という表現ではなく、正確には必要経費って言うんです。この必要経費は、実は結構な「つわもの」で、その範囲がかなり限定されています。必要経費の詳しい解説は、次回の記事でしますね。
「何でもかんでも経費に入れても大丈夫」の本当の意味とは
「個人事業で何でもかんでも経費に入れても大丈夫」というのは、何でもかんでも経費にできるという意味ではないことをお分かりいただけたでしょうか。本当の意味は「滅多に税務調査なんて来ないから何でもかんでも経費に入れていても、とりあえずは大丈夫ですよ〜」という意味なんです。なぜかというと、誰も経費の中身をチェックしないからなんですね。
税務調査がきたらどうなるの?
税務調査官から「これ必要経費じゃないですよね?」と必要経費として認められないと、どんどん経費の額が減っていきますよね。なにが起きるかというと、所得が増えるんです。増えた所得分の所得税が課されるだけでなく、加算税や延滞税が課されるというペナルティがあります。税務調査官からしたら「うっしっし( ̄∇ ̄) まいどあり〜! ありがとうございます! いただきま〜す!」ですよ。
まとめ
今回の記事では、個人事業で認められる経費はかなり限定的だということを解説しました。
かなり重要なのでしっかり理解しておいてくださいね。今回のポイントは、次の3つです。
・法人より個人事業主のほうが経費にできるものが多いということは全くの嘘!
・個人事業主の経費はかなり限定されている
・なんでもかんでも経費にしている個人事業主は、税務調査がきたら危ない
このブログではこんな感じで「ひとり起業家のためになる節税やお金を貯めるノウハウの話」をしています。気になる方はぜひ他の記事も覗いてみてくださいね。