個人事業主は自分の給料が経費にできない。法人になれば社長の給料は経費にできる。

Last updated on 2023年2月2日 By 杉田健吾

あなたは「個人事業主の方ってお給料をもらっている」と思いますか?正解は「個人事業主はお給料をもらえない」です。個人事業主はサラリーマンのようにお給料をもらって生活しているわけではないんですよ。

では、法人(会社)の社長さんもお給料がもらえないんでしょうか。そんなことはありません。社長さんは法人からお給料をもらって生活しています。

今回の記事では、元国税で現在はひとり起業家(ひとり社長)専門のお金と税のコンサルタントである僕が、「個人事業主はお給料はもらえないのに、法人の社長はお給料をもらえる理由」を紹介します。賢く節税したい個人事業主の方は、ぜひ最後まで読んでくださいね。

今回の内容は

個人事業主の生活費ってどこからでるの?
個人事業主にお給料は出せない
個人事業の場合、事業と事業主は一心同体!
個人事業主は生活費をもらう前に税金を払わされる

法人の社長はお給料がもらえる
法人と社長は一心同体ではない
法人くんは社長にお給料を支払うことができる
役員報酬の最適化が節税の近道

まとめ

個人事業主の生活費ってどこからでるの?

最近ときどき「個人で事業をしているのですが私ってお給料もらってもいいのですか?」と聞かれます。会社勤めをしていて独立した方は勘違いしている方が多いみたいですね。

個人事業主にお給料は出せない

個人事業を長くやっている方ならご存知かと思いますが、所得税法(個人事業主が適用される法律)の世界では、「事業をしている本人」つまり「事業主本人」に対してお給料を出すということはできません…。

「えええ〜そうなの?えっ?私こんなに毎日頑張って仕事しているのに、お給料ってもらえないの?」って思ってしまいますよね。「じゃあお給料が出ないということはどこから私の生活費をもらえばいいの?」って思いますよね。

個人事業の場合、事業と事業主は一心同体!

所得税法の考え方に、答えが隠されています。

個人事業の場合、事業と事業主って一心同体とみなされるんです。なので「あなたが働いて得た利益ってすべてあなたのものでしょう」ってなってしまいます。だから「そこからさらにあなたにお給料を出すなんて認めないよ」ってなるんですね。所得税法の考え方って面白いんです。

個人事業主は生活費をもらう前に税金を払わされる

先ほど「所得税法の考え方って面白い」といったのですが、こわいところでもあります。

実は、まずはその得た利益から先に税金を払わされるんです。「えっ?まだお給料もらってないし、生活費ももらっていないのに…先に税金払えって…。」と思ってしまいますよね。そうなんです、あくまでも税金が先なんです。まあまあすごい考え方ですよね、「ちょっと、どうよ」って思わざるを得ないです。

法人の社長はお給料がもらえる

法人は個人事業主とはまったく違うんです。法人の社長はお給料をもらえるし、そのお給料から生活費をだします。

法人と社長は一心同体ではない

法人税法の世界では、あなた(社長)と法人は一心同体ではないんですね。法律上はあなた(社長)と法人の関係は、経営を委任する側と委任される側。つまり、委任契約の関係になるのであなたと法人は別人格になるんです。

法人くんは社長にお給料を支払うことができる

個人事業としてやっていることとまったく同じだったとしても、法人は社長であるあなたにお給料(役員報酬)を出せるということになるんですね。なぜなら、法人は社長とは別人格である「法人くん」だからです。

社長のお給料は経費になる!

さらに面白いことに、社長のお給料は経費になるんです。

法人くんだけではお金を稼ぐことができないので、社長の力を借りています。社長は法人くんのために無償で働くわけにはいかないので、法人くんから対価としてお給料(役員報酬)をもらいますよね。法人くんがあなたに支払うお給料(役員報酬)は法人くんの事業をするためには必要なお金なので、これ経費になるってことなんですね。

社長のお給料(役員報酬)を上手に活用せよ!

個人事業主と法人のやっていることは何も変わらなくても、「個人事業だと自分に給料は出せなかったけれど、法人になると自分の取り分は給料としてもらえてさらに経費にもなる」ということをご理解いただけましたか?

役員報酬を活用することで節税対策ができる

う〜む、なんかここに節税の匂いがしますよね〜。節税の匂い、あなたも感じましたか?「感じた!」という方はいい感じで節税脳が育ってきましたね。その調子です!

そうなんです。ひとり型でビジネスやってる個人事業主が自分の法人を持つと、法人からもらえるお給料、つまり役員報酬を賢く活用して、法人で経費を作り出しながら、無税の状態で自分のところにお金を持ってこれる技が使えるようになるんです。

役員報酬の最適化が節税の近道

僕は役員報酬を賢く活用することを「役員報酬の最適化」と呼んでいます。

役員報酬を最適化することで、あなたは個人事業主時代よりもたくさんのお金を手元に残すことが可能になります。このブログではこれから何回かにわけて、役員報酬の最適化についてのお話をしますので、ぜひ楽しみに待っていてくださいね。

まとめ

今回の記事では「個人事業主はお給料はもらえない、法人の社長はお給料をもらえる理由」について解説をしました。今回の記事のポイントは以下3つです。

・個人事業主は、利益から生活費をとるまえに税金を払わされる

・法人の社長のお給料(役員報酬)は経費に計上できる

・役員報酬を賢く活用することで手元にお金を賢く残すことが可能

このブログではこんな感じで「ひとり起業家のためになる節税やお金を貯めるノウハウの話」をしています。気になる方はぜひ他の記事も覗いてみてくださいね。