法人でもズボラでいい!簡単な仕訳方法と税理士に依頼しない理由を紹介!
Last updated on 2022年11月5日 By 杉田健吾
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以前、「ひとり起業家にはプライベートはない」という話をしました。
その中では、ひとり起業家の行動のかなりの支出が経費になるという話をしています。そしてもう一段階思考を進めてもらうと、すべて経費にしたいのであれば経費になるように行動すればいいという話をしました。
このように、発想を逆転することで、ひとり起業家の行動のほとんどが、経費にできるようになります。しかし、経費にするときの仕訳が面倒だと思ったことはありませんか?
そこで今回は、簡単な仕訳方法について紹介していきます。
すべてを経費にすると仕訳が大変?
すべてを経費にできるとなると、次に面倒くさいのが、レシートや領収書の整理ですよね。
僕は、日頃はあまり実務的な話はしないのですが、結構聞きたいという要望があったので、今回は特別に書かせていただきます。
領収書の簡単な整理方法
ズボラ会計の僕は、次のような手順でレシートや領収書の整理をしています。
- 支払った都度レシートか領収書をもらう
- もらったレシートや領収書を経理用の袋に放り込んでおく
- 1週間に一回程度、まとまったレシートを会計ソフトに入力する
- 入力が済んだレシートには赤ペンでチェックを付ける
- 入力したレシートは、また経理用に袋に放り込んでおく
- 月末になったら、入力の終了したレシートをまとめてホッチキスで止める
- レシートを月別にして、A4の40ポケットぐらいあるクリアブックに入れておく
この方法なら、毎週5分〜10分程度で終わるので、ズボラ会計の僕でも簡単です。
しかも僕は基本的にズボラなので、レシートや領収書は一切日付順等にするような整理はしません。もう、大きさもバラバラなレシートや領収書を、ただ、適当に固めて、ホッチキスで止めるだけです。だって、はっきり言って入力したレシートなんて二度と見ることないですからね。
こんな方法で僕は何年も法人を運営しています。
勘定科目をパターン化して簡単に
週1回、経費を入力する際に、勘定科目で悩むと時間がもったいないです。僕はズボラ会計なので、勘定科目もパターン化してあります。
借方科目は、主に以下の5科目を使っています。
- 会議費:カフェ、ランチ、懇親会で5千円以下の費用等
- 交際費:懇親会で1人5千円を超える場合
- 旅費交通費:社内規程にのっとって一定額を計算したもの
- 備品・消耗品費:オフィスで使用する備品等
- 研修費:セミナー参加費など
僕のようなコンサルの仕事の場合、ものを仕入れて販売するわけではないので、このくらいの科目を使いこなせれば十分です。
また、相手の貸方科目は、すべて短期借入金(社長借入金)を使います。個人事業の方は、事業主借ですね。
現金勘定ではなく、短期借入金を使うのには理由があります。現金勘定を使うと、日々の現金の管理が大変になるからです。また、経理仕訳も煩雑になるので、すべての支払いをポケットマネーか個人のカードで支払い、レシートか領収書をもらっておきます。
もし領収書をもらい忘れた場合は、メモ書きで済ませることが多いです。
やり方を工夫すれば仕訳も簡単
このように毎週やるのは1週間分のレシートや領収書を貯めて、すべて短期借入金(社長借入金)として会計ソフトに入力するだけです。手数料などを引かれたものは、金額もしれているので無視することも多いです。細かいことを入力しているより、時間の方が大事だと思っています。
僕がやっているのは、これをただ繰り返しているだけです。簡単ですよね。
仕訳が面倒な人は税理士に頼んでもOK?
紹介した方法でも十分簡単だと思うのですが、
- 1週間ごとに入力するなんて大変!
- できれば、領収書の入力は、誰かにやってほしい
なんて声が聞こえてきそうです。
そんな人は、さっさと税理士さんにお願いしてしまいましょう。
税理士さんに頼んだ時の費用
税理士さんにもよりますが、入力も全部丸投げすると、月額3万円〜5万円程度でやってくれると思います。経理代行の会社にお願いすれば、月1万円以下でやってくれるところもあります。
お金があるなら、その方が効率的ですね。もちろん税理士さんの報酬も経費になります。
税理士さんに頼むメリット
税理士に頼むメリットは、楽をするためだけではありません。以下のようなメリットもあります。
- 資金繰りを把握できる
- 自分では作れない正確な資料を作成してくれる
- 銀行や親会社、行政から依頼された書類を作成してくれる
- 税金のことをわかりやすく解説してくれる
- 節税に関してアドバイスをくれる
- 税務調査に立ち会ってくれる
このように、手間がかかる仕事を丸投げすれば、本業に専念できます。
税理士さんに頼むデメリット
ただし、税理士さんにお願いすると、以下のようなデメリットもあります。
- 費用がかかる
- ズボラ会計に厳しいチェックが入る
- 打ち合わせに時間を取られる
僕のズボラ会計の考え方と、税理士さんの考えにはズレがあります。そのため、税理士さんにお願いすると、「ズボラ会計ではダメだ」とか、「この経費は個人的なものではないですか?」と問いただされるかもしれません。
税理士さんに頼まない理由
僕の考え方は、ある程度のことはすべて経費化することを目指しています。ほとんどを経費化しておいて、もし税務調査が入って運悪く、この費用は認められませんとなったら、その時になおしたらいいじゃん。という考え方です。
税理士さんのように、
- 税務調査の対象にならないようにする
- 税務調査が入っても追加徴収されないようにする
ということを目標としていないのです。そのため、意見が食い違うことがあります。そして、税務調査なんて滅多に入りませんし、もし、運悪く入ったとしても、そんな細かい経費見ないと思います。たとえ見たとしても、ちゃんと理由を説明すればOKになるものがほとんどです。
だから、月3万円も払って税理士さんにお願いするくらいなら自分でやるという方は、僕のようなやり方が一番ラクなように思います。だんだんと慣れてきたら、ほんとに10分かからずに入力できるようになります。しかも自分で仕訳していると、だんだんと経営数字にも強くなっていきます。そして、やっぱり月3~5万円は大きいですよね。
そんな理由から、僕は税理士さんに頼むよりズボラ会計をおすすめしています。
個人も法人も経理作業に変わりなし
ここまで経理の事務的なお話しをしてきましたが、ひとり起業家の方は何か気が付きませんでしたか?
そうなんです。ひとり起業家の場合、ビジネスを個人でやっていようと、法人にしてやっていようと、日々の事務作業的なことはほとんど変わらないのです。
法人にしても決算と申告が増えるだけ
法人にすることでちょっと難しいのは、決算や申告だけです。ただし、決算や申告が難しい場合には、そこだけをお願いできる税理士さんもたくさんいます。
相場は10万円〜15万円程度なので、年間40万円から60万円払うよりは、かなりお安くなります。
それも高いなあ〜と感じるならば、会計ソフトを使えば、決算書は簡単に作成できます。申告書の作成にあたっては、決算書までできていれば(完璧でなくても)なんとかなります。
税務署をうまく利用する
決算書を税務署に持って行けば、申告書の作成方法は、タダでしかも懇切丁寧に教えてくれます。担当者に多少の当たり外れはありますが、今は昔と違って基本的には皆さん親切です。なんといっても無料なので、使わない手はないと思います。
税務署って怖いイメージがあると思いますが、全然そんなことはありません。いい人に当たれば、かなり突っ込んだポイントまで教えてくれます。税務署で話を聞けば、実は結構いい加減な申告書でも大丈夫なんだ!ってことがわかると思います。つまり、多少ズボラ会計でも大丈夫なんですよね。
だから、税務調査に来られるのを恐れているより、こっちからどんどん利用させてもらえばいいと思います。
最初はズボラ会計でいこう!
今回は、経理の実務的な話をしました。個人でも法人でもほとんどやることは同じで、結構いい加減でも大丈夫だということがわかったでしょうか。
負のスパイラルに陥らないためにズボラ会計
経理の苦手な人は、ものすごくきちんと入力しないといけないと思いすぎています。その結果、ほったらかしになってしまい、1年分をまとめて入力しなければいけなくなります。一度に大量に処理しないといけなくなると、気が重くなって、さらに経理の苦手意識が植え付けられていきます。
このように、最初からしっかりやろうとすると、負のスパイラルに陥りがちです。だから、最初はズボラ会計でいきましょう!慣れてきたら、こんな簡単なんだ?ってなってきますからね。
ついでに法人化にもチャレンジ
僕の商品を買ってくださる方は、すでに法人の方、もしくは法人になっていただかないといけない方たちです。そのため必要があれば、ズボラ会計のやり方も、コンサルの中に入っています。
ということで、ひとり起業家の方は、できることなら、これを機会にズボラ会計にチャレンジしましょう。ついでに法人化していただいて、無料で申告まで済ませてしまうっていうのもいいかもしれませんね。
それでは、また次回もお楽しみに!