それ言っちゃうと脱税になりますよ!(続)
Last updated on 2023年10月18日 By 杉田健吾
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みなさん、くれぐれも脱税には気を付けてくださいね。一回でも脱税したと国税に思われてしまうと、その後の対応が厳しくなってしまいますからね。明らかに脱税をしようとしてやってしまったなら仕方がないのかもしれませんが、そうでない場合でも国税から「ある言葉」をいわれると脱税したことにさせられてしまいます。その一つ目が前回のレクチャーで解説した「除外」です。そして今回は、もう一つの言葉「架空」について解説していきます。
税務調査中に言ってはいけない言葉
前回のレクチャーでは、「社長、それ言っちゃうと脱税になってしまうよ〜」という言葉、そんな、たった一言で脱税になってしまう言葉の1つ目のお話をしました。
悪魔の言葉1つ目:「除外(じょがい)」
そんな悪魔の言葉の1つ目、それが「除外(じょがい)!」という言葉でしたね。ご理解いただけましたでしょうか。なので社長はくれぐれも、国税の巧妙な言葉のマジックに惑わされないでください。調査官に「社長、これは売上の除外ですね」と言われたら、「いやいや、それは売上の計上漏れですよ〜」「単なるうっかりミスですよ〜」と国税の巧妙な言葉のマジックをきちんと訂正してあげてくださいね。
悪魔の言葉2つ目:「架空(かくう)」
そして今回は、「社長、それ言っちゃうと脱税になってしまうよ〜」という言葉の2つ目、そんな悪魔の言葉の2つ目についてのお話しです。それが、「架空(かくう)!」という言葉です。この言葉も今ここで必ず知って、必ず覚えて帰ってくださいね。
「架空」は支払いに対して使われる
実は国税ではこの架空という言葉も非常によ〜く使います。例えば、
- 架空の人件費とか
- 架空の給料とか
- 架空の仕入れとか
- 架空の外注費とか
- 架空の経費、、、etc
そして、この架空という言葉は、主にあなたの会社のなんらかの”支払い”について使われることになります。つまり、前回の「除外」という言葉は、なんらかの収入について使われ、今回の「架空」という言葉はなんらかの支払い(支出)について使われるということですね。
国税がいう「架空の経費」とは
ちなみに、この架空という言葉の意味は、「実在しない」「実存しない」「存在しない」という意味です。つまり「社長、実在しないウソの支払いを会社の経費にしましたね」ということです。
架空の経費になるのは明らかな脱税だけではない
具体的には以前のレクチャーで書いた、「実在しない人物にウソの給料を出したことにして社長が自分のお小遣いにしていた」とか「実在しないウソの取引先の領収書を作成して架空の外注費を会社の経費に計上し社長が裏金を捻出していた」なんて事例のことですね。
この上の2つの事例のように、明らかに社長が故意にわざと自分の小遣いや裏金を捻出するためにやった行為は、「これ架空の取引だ!」「これは不正行為だ!」と言われて、脱税だ!と認定されても仕方がないですよね。
でも、今回言いたいのはそういう場合ではありません。注意しないといけないのは、社長であるあなたは会社の経費になると思っていたんだけど、国税から「こんな個人的な支払いは会社の経費にならんよ」と言われたような場合です。
会社のお金で個人的な支払いをした場合も架空の経費に?
例えば、あなたが自分のカメラを買って会社の経費にしていたとします。でも、そのカメラを自分の会社の事業ではほとんど使わずに、自分の家族や自分の趣味のためだけに使っていた場合です。このカメラ、会社の事業とはまったく関係ないカメラになります。この場合はこのカメラの支払いってあなたの会社の経費にはならないですよね。だって、会社の事業のために買ったんじゃないですからね。
そこで今日の言葉の登場です。このカメラの支払いが会社の経費になっていたことを知った国税に「架空の経費だ!」と言われてしまうと、あら不思議、このカメラの支払いを会社の経費にした行為がなんと脱税の認定を受けることになってしまうんです。そうなると、重加算税という、とても重た〜い罰金を支払わされることになるわけですね。
「架空の経費」と言われたらしっかり訂正しよう
この国税の言葉のマジック、ここの微妙な違い、あなたにはわかりますか?国税は、あなたが「わざと」「故意に」やった行為だと認定したい!ってことですからね。ここ要注意!!!ですからね。
もし、まだ僕の言ってる意味がいまいち理解できていないとしたら、とにかく国税から「架空」という言葉を言われたら、それを「ちょっと間違って…」「ちょっと誤って…」「うっかりミスで…」「ちょっとしたミスで…」という言葉にきちんと訂正することを覚えておいてくださいね。
税務調査での「除外」と「架空」にはご注意を
今回は、税務調査で言われたら気を付けなければいけない「架空」について解説してきました。前回の「除外」が売上や収入を減らして税金を少なくしたことに対して、「架空」は経費を増やすことで税金を少なくしたことに対して使われます。もちろんどちらも脱税になるわけですが、この言葉を調査官から言われると、故意に脱税をやったと認識されてしまうので、重い罰金を支払わされることになります。
明らかに悪質な脱税は仕方がないのかもしれませんが、みなさんのうっかりミスなどでも、「除外」や「架空」と言われると故意に脱税したとみなされるので注意しましょう。そんな時には、「間違って」とか「うっかりミス」などの言葉にしっかりと訂正してくださいね。