ベンツは4ドアじゃないと経費にできない?

Last updated on 2023年7月21日 By 杉田健吾

前回のレクチャーでは「車は個人と法人(会社)、どっちで買った方がいいの?」という話をしましたが、結論をいうと「そりゃやっぱ会社で買うべきでしょ!」でしたね。

今回のレクチャーでは、車を経費にするときの注意点を紹介します。会社での車の購入を検討している方はぜひ最後まで読んでみてくださいね。

今回の内容は

どんな車だって経費にできる!
「会社(法人)で買う必要があって、会社の仕事で使っている」とはどういうこと?
自分のブランディングのために高級車を買ってもOK

車を経費にしたいときの注意点
一気に経費になるわけではない!
車を買うのであれば、新車ではなく中古車がおすすめ
1,500万円の経費を作り出せたら600万円の節税になる

まとめ

どんな車だって経費にできる!

会社で車を買ったほうがお得という話をすると、「ベンツは中古で4ドアがいいんだよね?」「2ドアは経費にできないの?」と聞かれることがあります。

結論からいうと、ベンツであろうがBMWであろうがフェラーリであろうがポルシェであろうが、4ドアであろうが2ドアであろうが、会社(法人)で買う必要性があって、会社の仕事で使っていたら経費になります。2ドアだったら経費にできないなんて、そんなことはっきり言って誰が言ったのでしょうか?法律のどこにも書いていません。

「会社(法人)で買う必要があって、会社の仕事で使っている」とはどういうこと?

例えば、

・出張はその車で行く

・イベント等へは自分のブランディングのためにその車で会場に乗り付ける

・お客様を送迎している

・会社への出勤に使っている、などを指します。

それなりに会社の事業で使っていれば、これをダメとはなかなか言えないんです。「ダメとは言えない」ということは、つまり「経費はOK」ということになります。

自分のブランディングのために高級車を買ってもOK

少しドラマや映画のワンシーンを想像してみましょう。重役が運転手付きの高級車から降りてくるシーンがありますよね。。このとき軽自動車からでてきたらどうでしょうか。一気に「重役ではない」感がでてきませんか?重役は自分のブランディングのために高級車に乗る必要があるのです。

考え方はこの重役と同じで、起業家が高級車に乗るのはまさにいいブランディングになります。その車でいろんなところに行ってる写真などをSNSに投稿すれば、これも立派な会社の事業で使っている証拠になりますからね。その辺りをきちんと考えて会社でちゃんと使っている証拠をなんらか残しておけば、高級車を経費にするのはそんなに難しいことではないんですよ。

車を経費にしたいときの注意点

「どんな車でも経費にできるのであれば、今期は儲かって税金が高くなりそうだから、2,000万円のベンツを買って一気に節税しよう!」だなんて考えている方、ちょっと待ってください。実はそんなに簡単なものではないんです。

車を経費にしたいときには注意点があります。節税に興味がある人であればみんな知っている注意点でしょうが、一応お話しますね。

一気に経費になるわけではない!

車とか家とか金額の大きいものを買うと、経費になるといっても「一度に全額経費にはならない」という話は知っていますよね。「減価償却」という計算を使って、ちょっとずつ経費になります。

仮に2,000万円のベンツを新車で買ったとしたら、1年目に経費にできる金額はざっくり言うと、定率法なら600万円ほど、定額法なら300万円ほどです。(あくまでも事業年度の期首に買った場合)新車買ってしまうと、1年目に経費にできるのは頑張ってもたかだか600万円程度なんですよ。減価償却の詳しいことについては、他のレクチャーで説明しますので、ここでは説明を省きますね。

この注意点を知らないと、「利益が2,000万円も出たから、この2,000万円の利益を消そうと思って頑張って高いベンツ買ったのに…600万円だけ…ガクッ」みたいなことが起きるので、気を付けてください。

車を買うのであれば、新車ではなく中古車がおすすめ

新車ではなく中古車を買った場合、経費にできる金額はどう変わるでしょうか?「節税するなら4年落ちの中古車を買え!」という話を耳にしたことがありませんか?

事業年度の期首に4年落ちのベンツを1,500万円で買ったとしましょう。中古車であれば、なんとこの1,500万円が1年目に全額経費になってしまうなんてことができるわけなんですね。これは大きいですよね。

しかも、人気車種で値落ちしにくいものであれば、何年かしたら売却して現金化することも可能なのです。1,500万円を経費にして節税しておいてベンツ貯金していたみたいな感覚ですかね。さらに言うと、このベンツの購入資金を現金ではなくローンにすれば、お金はちょっとしか出していないにもかかわらず、1,500万円の経費を作り出せるというメリットもあります。

1,500万円の経費を作り出せたら600万円の節税になる

1,500万円の経費を作り出せたら、税金で600万円ぐらいの節税になります。この差はかなり大きいです。

噂によると「フェラーリ倶楽部」なんてものがあり、仲間内で中古のフェラーリを〇〇してるらしい、という話も聞きます。お金持ちが不動産を売って大きな利益が出たときにフェラーリでその売却益を消すなんてことやってますよね。あれと同じですよ。

とはいえど、あまり常識を逸脱した使い方すると良くないので、意味もない節税はおすすめしませんが、起業して10年目ぐらいまででまだまだ資金繰りが心配な起業家さんの場合は、中古の高級車を賢く活用して節税するものありですかね。

ただもう気づいていると思いますが、利益が出てから慌ててベンツを買ってもダメですからね。間に合いませんよ。その辺りについてはまた今度お話するとしましょう。

まとめ

今回のレクチャーでは、会社で車を購入するときの注意点を紹介しました。今回のポイントは次の3つです。

・どんな車であっても事業で使ってさえいれば経費にすることが可能

・経費にできるとはいえ購入時に一気に経費にできるわけではない

・中古車であれば購入時に一気に経費にすることも可能になる

会社で車を購入しようと考えている方は、中古車の購入を検討してはいかがですか?