古家付き不動産を買ったときの注意点!

Last updated on 2023年8月22日 By 杉田健吾

あなたは不動産に興味がありますか?僕は不動産物件を見に行くのが趣味の一つですが、起業家の中には僕と同じように不動産物件を見に行くのが好きだという方が多いです。

そこで今回のレクチャーでは、古家付きの土地を購入するときの注意点を紹介します。「古家付きの土地を買おうかな」と検討中の不動産物件好きの方はぜひ参考にしてくださいね。

今回の内容は

古家の取り壊し費用は経費になるの?
古家の取り壊し費用が経費になるかどうかは目的による
土地は減価償却できない(=経費にならない)

古家付き土地のもう一つの注意点を紹介
古家を取り壊して新しい建物を建てるときにも注意が必要
古家付き土地を買った目的が重要

古家付き土地を購入したときの取り壊し費用は経費にならない可能性が大

古家の取り壊し費用は経費になるの?

先日とある起業家の方からこんな質問をいただきました。

自宅の隣に古家付きの土地があるのですが売りに出ていたので、法人で買おうかと考えています。この古家を購入後すぐに取り壊して駐車場にした場合は、古家の取り壊し費用は経費にしていいんですよね?

この手の話はよくある話ですが、あなたは答えが分かりますか?今回のレクチャーでは、この質問の答えに迫ってみましょう。

古家の取り壊し費用が経費になるかどうかは目的による

実は古家付きの不動産を購入する場合には、注意することがあるんです。それは「その土地と建物を買った目的」です。初めから建物を取り壊して更地にして活用する目的で当該物件を購入すると、「建物の取り壊し費用は、土地の取得価額に含めなければいけない」となっているんです。

例えば、あなたが古家付きの不動産を3,000万円で購入して、すぐにその古家を500万円で取壊して駐車場にした場合を考えてみましょう。その古家の取壊費用500万円は経費にならずに、土地の取得価額に含めることになります。つまり、初めから土地を3,500万円で買ったことになるということです。

「土地の取得価額に含めなければいけない」と言われても、パッとこない方がほとんどだと思います。しかし、不都合が大ありなんです。なぜかというと、「土地の取得価額に含める」というのは、その取り壊し費用が「経費にならない!」からです。

土地は減価償却できない(=経費にならない)

「経費にできないってどういうこと?一気に経費にできないってこと?建物や車とかの大きい買い物をしたときは毎年少しずつ経費にするって杉田さん言ってたよね?土地は違うの?」と疑問を抱かれた方、いいところに着目しましたね。

実は土地は、建物や車と違って、減価償却資産ではありません。なぜかというと、土地は時間の経過によって価値が変わるものではないからです。何年その土地を使ったとしても、土地は劣化しませんよね。車のように一定の周期で買い替えないといけないものでもありません。

ということは、「減価償却費」として経費にすることができません。つまり、土地は購入したときに、購入金額で「土地」として帳簿に記入されると、ずっと同じ金額で帳簿に載り続けるんですね。

古家付き土地のもう一つの注意点を紹介

古家付きの土地を購入するときには、さらに注意すべき点があります。

古家を取り壊して新しい建物を建てるときにも注意が必要

新たに購入した古家付き土地を更地にするのではなくて、古家を取り壊して新しく店舗を新築するような場合でも、取り壊し費用は土地の取得価額に含めないといけないんです。つまり、やっぱりその古家の取壊費用は経費にならないと。

新しく店舗を建てるために、古家付きの土地を買ってその古家を取り壊したのに、経費にならないなんて…なんで?

古家付き土地を買った目的が重要

古家付き土地を「なんのために買ったのか」というのが判断ポイントになります。

だって、その古家付きの土地は、土地を利用する目的で買ったんでしょ?その古家は最初から取り壊す予定で買ったんでしょ?だったら、その古家を取壊す費用は、土地を買うための費用なんだから土地の取得価額に含めてね、ということですね。厳しいですね。

古家付き土地を購入したときの取り壊し費用は経費にならない可能性が大

今回のレクチャーでは、古家付き土地を購入するときの注意点を紹介しました。今回のポイントは次の3つです。

・古家の取り壊し費用は土地の取得価額に含めなければいけない

・土地の取得価額に含めないといけないということは、つまり経費にならない

・古家付き土地を購入した目的が重要な判断ポイント

古家付き土地は、更地を買うよりも安く売りに出されていることが多いです。安さにつられて何も考えずに購入すると、うっかり損をしてしまうおそれがあるので、注意してくださいね。

でも、何か気がつきませんか?なんかこの話って節税の匂いを感じませんか?ふふふ、節税脳が鍛えられたあなたは、やっぱ思いますよね。「これって〇〇できるんじゃないの?」って…。この続きは長くなりそうなので、次回のレクチャーで解説するとしましょう。