古家付き不動産を買ったときの注意点(続)

Last updated on 2023年8月23日 By 杉田健吾

前回のレクチャーでは、古家付き不動産を購入するときの注意点を紹介しました。そのレクチャーの中で「何だか節税の匂いがする」とお話しましたよね。「続きが気になる!はやく教えて!」という反響をたくさんいただきました、ありがとうございます。

お待たせいたしました。今回のレクチャーでは、古家付不動産を購入して古家を取り壊したいときの裏技を紹介します。

今回の内容は

前回のおさらい:古家付き不動産を購入するときの注意点
古家の取り壊し費用は経費にできない
古家付き土地を購入する目的が判断ポイント

古家の取り壊し費用が経費にできる場合がある!

最初から古家を取り壊すつもりがなかったときは経費にできる
最初は取り壊す予定ではなかったというのは、どこで判断するの?
建物を利用したという実態作りが重要

古家の取り壊し費用を経費にしたいときは購入してから1年後or建物を利用した実態を証明する!

前回のおさらい:古家付き不動産を購入するときの注意点

本題に入る前に、前回のレクチャーのおさらいを軽くしておきましょう。

古家の取り壊し費用は経費にできない

あなたが古家付きの不動産を3,000万円で購入して、すぐにその古家を500万円で取壊して駐車場にした場合は、その古家の取壊費用500万円は「土地の取得価額に含める」ことになります。つまり、初めから土地を3,500万円で買ったことになるのですよ〜というお話をしましたね。

土地の取得価額に含めないといけないのは大問題で、「経費にできない」ということを意味します。経費にできないということは、取り壊し費用にいくらかかろうが、あなたの支払う法人税等の税金は変わりません…。節税効果ゼロですね。

古家付き土地を購入する目的が判断ポイント

土地の取得価額に含めないといけない理由は、その古家付きの土地って土地を利用する目的で買ったんでしょ?その古家は最初から取り壊す予定で買ったんでしょ?だったら、その古家を取壊す費用は、土地を買うための費用なんだから土地の取得価額に含めてね、ということでしたね。

つまり、古家付き土地を購入した目的が何かということが重要ということです。

古家の取り壊し費用が経費にできる場合がある!

「節税効果がゼロならば、買うのや~めた」となってしまったあなたに朗報です。今回のレクチャーでは、古家を取り壊すときの裏技を紹介します。

最初から古家を取り壊すつもりがなかったときは経費にできる

勘の良い方はこんなことに気が付いたのではないでしょうか?

土地を利用する目的でその古家つき不動産を買ったのでない場合は、どうなるの?最初はその古家を取り壊す予定ではなかったら、どうなるの?

どうやら節税脳を働かせる必要がありそうですね。

そうなんです。もうあなたもお気づきかもしれませんが、古家の取り壊し費用を土地の取得価額に含める場合、つまり取壊費用が経費にならない場合は「当初から土地の上に建っている古家を取り壊す予定だった場合」なんです。

ということは、最初は取り壊す予定ではなかったけれど、計画が変更になって結果的に取り壊すことになった場合は、その古家の取壊費用は経費にできちゃいます。

最初は取り壊す予定ではなかったというのは、どこで判断するの?

国税側は「土地と建物を購入した場合は、おおむね1年以内に建物を取り壊した場合は、最初から土地の利用が目的だったと判断します」と言っています。国税庁のホームページにきちんと明記されています。

裏を返せば、1年以上経ってからその古家を取り壊せば、その取壊費用は経費にできる、つまり古家付きの土地を買った場合は1年以上放っておいた後に建物を取り壊せば、その取壊しにかかった費用は経費にできるということですね。

これは知っているのと知らないのでは大違いですよね。だって10万円、20万円が経費になるかならないかの話なら、それほど気にもなりません。しかし、取り壊し費用は安いものではないですよね。大規模な物件であれば、その取壊し費用は何千万円も何億円もかかったりしますからね。それが経費になるかならないかは大違いです。

建物を利用したという実態作りが重要

「でも1年も放っておかないといけないのか〜むむむ、ここなんとかならんのかなあ」って思いましたか?そうですよね。でも、実はここに抜け道があるんです。

今回の「おおむね1年以内に取り壊したら」という話は、あくまでも判断が難しい場合はこのように形式的に判断しますよということで、あくまで形式的な話なんですね。

1年以内に古家を取り壊したとしても、その実態が最初は土地だけを利用する目的でなく、建物も利用する目的だったということが証明できれば、取り壊し費用は経費にすることができます。例えば、飲食店をやろうと思って店舗を購入したんだけど、その後しばらくしてコロナウイルスの影響で状況が変わってしまって、飲食店をやるのを断念せざるを得なかったという場合です。いつ収束するか分からないコロナウイルスを待って、ずっと物件を放置するわけにはいきません。だから、店舗を取り壊して、賃貸用住宅を新たに建てて不動産賃貸を始めた、というような場合は、その建物(店舗)の取壊しは「やむを得ない事情」があるので、たとえ1年以内の取り壊しであっても経費にできるんですよね。

古家の取り壊し費用を経費にしたいときは購入してから1年後or建物を利用した実態を証明する!

今回のレクチャーでは、古家の取り壊し費用を経費にする裏技を紹介しました。今回のポイントは次の3つです。

・古家の取り壊し費用は通常は経費にはならない

・購入から1年後に取り壊した場合には、取り壊し費用は経費になる

・建物を利用したかったがやむを得ず取り壊した場合にも、取り壊し費用は経費になる

要するに注意すべきは、その土地と建物を買った目的が、建物を利用する目的ではなく土地を利用する目的だったとみなされると経費にはできないということです。だったら、そこを注意して「建物もちゃんと利用したという実態」を作ればいいんです。

このように知っているか知らないかで、あなたの税金額は大きく変わります。一見経費にできないように見えるようなことでも、じっくり紐を解いていくと、案外抜け道があったりします。僕のレクチャーでは、紐解きのお手伝いができるような情報をたくさん公開していますので、ぜひ他のレクチャーも読んでみてくださいね。