数字で考える習慣、欲しくないですか?数字で考えるって勘違いしないで!
Last updated on 2023年10月12日 By 杉田健吾
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前回のレクチャーでは「数字で考える習慣をつけるために、自分で会計ソフトを使ってみましょう」という話を書きましたが、勘違いをされている方がいるので、もう少し掘り下げて解説していきましょう。
今回のレクチャーでは、会計ソフトを入力したあとにすべきことを紹介します。前回のレクチャーを読んで、会計ソフトを使ってみようという気になった方はぜひこのレクチャーも最後まで読んでくださいね。
前回のおさらい:数字で考えることができればビジネスは急成長する
前回のレクチャーでは、ビジネスを数字で考えるためにするべきことを紹介しました。簡単におさらいをしておきましょう。
他人事ではなく自分事で考えよう
数字で考えられるようになるためには、自分のビジネスを他人事ではなく自分事で考えることが大切です。税理士さんに決算関係はお任せしていて、「年に1回領収書やレシートを提出するだけ」という方、要注意です。自分で数字を見るくせをつけないと、いつまで経っても自分のビジネスが上手くいっているのかどうか分かりません。
会計ソフトを使って自分のビジネスの数字を追いかけよう
では、どうしたら自分事で考えられるようになるかというと、会計ソフトを使って、自分で領収書やレシートを入力してみればOKです。一昔前は、手書きで伝票を作っていたので、専門家に頼る必要がありました。しかし、ネットの発達によって最近では、手軽に誰でも会計入力ができるような会計ソフトがたくさん開発されているので、思ったより簡単にできますよ。
会計ソフトに毎日5~10分くらい入力をするだけです。いわば家計簿をつけるような感覚ですね。最低でも1年続けてみると、数字で考える習慣がついていることを実感していただけると思います。
会計ソフトからみえてくる数字を分析しよう
さて、ここからが今回のレクチャーの本題です。冒頭で「勘違いをしている人が多い」と言いましたが、「会計入力をきちんとやりさえすればいいんだ」と思われている方が実は結構いるんです。
会計入力のその先をみることが大切
会計入力の数字を合わせることに命を懸けるといいますか、レシートの入力をちゃんとやることに意識が集中し過ぎて、会計ソフトの入力にフォーカスし過ぎる方がいます。
「数字で考える」とは数字を1%の狂いもなく正確に合わせることとは違うんです。数字で考えるというのは、簡単に言うと「欲しい結果から逆算して考える」ということです。現状を数字でちゃんと押さえた上で、欲しい結果を達成するためには「あと何をどれだけやるといいのか」について、きちんと数字に置き換えて考えているかどうかいうことです。
なんとなくイメージややる気だけではなくて、あなたのやるべき行動を数字に置き換えて考えていますか?僕の周りできちんと成果を出している方は、やはり自分のビジネスを数字で見ています。数字で見ないと、自分の行動のどこが成功していてどこが失敗しているのかが分からないんです。分からないからこそ、多くの人は感覚や気持ちだけで「あ〜ダメだった〜、あ〜今回はうまく行った」と結果に一喜一憂することになります。
数字で考えると自ずと改善点がみえてくる
数字を見るというのは、こんな分析をするということです。
例えば、あなたの商品を買ってくれた人が1人いたとしましょう。あなたは見込み客を1人集めるために、1,000円のコストをかけて10人集めました。その10人のうち1人が1万円の商品を買ってくれました。
コスト:@1000円×10人=1万円
売上:@1万円×1人=1万円
この場合、粗利益の時点でゼロなので、それ以外の固定費や一般経費まで入れたら赤字です。これではビジネスになりませんよね。ここまでシンプルにすると「そりゃそうだろ」と思われるかもしれませんが、数字で考えない多くの方は、これと同じことをやっているんです。
10万円の売上を上げるために、20万円も30万円も50万円もコストを平気でかけているんです。数字で考える習慣がないため、どこを改善したらいいのかが見えていないんですね。数字で考えてみると、みえてくる改善点はたくさんありますよね。
例えば、
・商品の単価を上げないといけないのか?
・そもそも商品の構成を変えないといけないのか?
・集客のコストをもっともっと効率化しないといけないのか?
・そもそも集客導線が悪いから集客の数が足りていないのか?
・集客はできているが成約率が悪いのか?
・では成約率が悪い原因は何なのか?
・どこをどう改善すれば?その打ち手は? などです。
数字を活かしたビジネスのプロセスはこれだ!
つまり、数字を活かしたビジネスのプロセスはこうです。
①現状を数字で把握して、その次に欲しい結果を数字にする。
②その欲しい結果から逆算して行動(打ち手)を考える。
③その目的に向けて行動しながら、またその結果を受けて数字で考えて改善していく。
①~③のひたすら繰り返しです。起業初期の頃は、小さい単位で(自分ひとりで)きっちりやる!そして、その小さい単位でしっかり利益、もっというならばキャッシュの出る体質を作る!その体質がある程度できたら、そこからはもっとコストをかけてビジネスを大きくしていく。このプロセスが非常に大事になってきますので、まずは数字を社長自らが分析できるように力をつけていきましょうね。
数字で考える習慣があなたのビジネスを成功へと導く
今回のレクチャーでは、会計ソフトを入力したあとにすべきことを紹介しました。今回のポイントは次の3つです。
・会計ソフトを入力したあとの分析が重要(つまり、入力は人にやってもらってもOK)
・売上をあげるためにコストをかけすぎていないか振り返る癖をつける
・欲しい結果を手に入れるためには、改善点を数字で考える
ビジネスも勉強と同じです。「やっただけ」では何も伸びません。テストを受けたあとは受けっぱなしにせず、自分の間違いを振り返りますよね。「会計ソフトを入力しただけ」「売っただけ」の状態にせず、そのあとの分析に重きを置いてみてください。あなたの行動を数字に置き換えて考える習慣が本当に大切です。あなたのそのちょっとした努力が将来の大きな違いを生み出しますから、ぜひ始めてみてくださいね。