ひとり社長は利益を出さなくていい?利益と納税と社会貢献の関係とは

Last updated on 2023年7月28日 By 杉田健吾

最近僕の周りでもときどき聞くセリフ。それは「社長たった一人のお一人さま会社だったとしても、会社は会社、経営者は経営者なんだから利益をきちんと出して納税するのが大事!」というセリフです。これ、あなたはどう思いますか?

納税は国民の義務ですし、納税したほうが社会貢献できていそうですよね。このセリフ、すごく当たり前のことを言っているように聞こえますが、僕の意見はちょっと違います。そこで今回は、利益と納税と社会貢献の関係についてお話ししていきます。

今回の内容は

小さい会社でも納税するために利益を出すという考え方

利益が出る=納税ではない
利益にもいくつかの種類がある
理想は粗利益を最大化し、所得金額を最小化する

納税しなくてもビジネスの継続が社会貢献になる

小さい会社でも納税するために利益を出すという考え方

ひとり社長でも利益を出して納税するという話は、ある意味すごくまともな話です。まったく持ってその通りの話であり、もちろんあなたがビジネスをしている以上は、それが会社としてやっていようが個人事業としてやっていようが、しっかりと利益を上げなければビジネスとして続けていけません。それはその通りです!

あなたが自分でビジネスをやっている以上、そのビジネスでしっかりと利益を出す!ということ、これは僕もまったくその通りだと思ってます。でもね。ちょっと違うと思うところがあります。それが、納税をするためにきちんと利益を出さないといけないという考え方です。

利益が出る=納税ではない

確かにこの安全な日本でビジネスをさせてもらっている以上、納税するのは当然の義務だ!って、そんなことはもうみんなわかってますよね。でも、あなたのビジネスでしっかりと利益を出すことと、あなたのビジネスでしっかりと納税することは一緒ではありません!ここに利益が出る=納税ではないという秘密があるんです。

利益にもいくつかの種類がある

実は利益って、その概念がいくつもあるって知ってましたか?簡単にざっと書くと次のような感じになります。

1 粗利益(売上総利益)

2 営業利益

3 経常利益

4 税引前当期純利益

5 税引後当期純利益

6 所得金額(税金の対象となる利益)

僕たちひとり起業家、私たちひとり社長が一番気にしないといけない利益ってどこだと思いますがか?答えは、1の「粗利益(売上総利益)」と6の「所得金額」です。

理想は粗利益を最大化し、所得金額を最小化する

簡単に言うと、1の「粗利益」を最大化して、6の「所得金額」を最小化するとあなたの手元にお金が貯まり出すと言うことですね。粗利益でしっかり儲けを出しているのに、所得金額を最小化すれば税金などの支払いが少なくてすみますからね。

まあ今回は、杉田さんさあ〜何を言ってるの?ってなっているかもしれないですが。今回僕が言いたいのは、僕たちひとり起業家、私たちひとり社長が一番大切にしないといけないことは、利益を出すことでも納税することでもないということ。僕たちが一番大切にしないといけないことは、自分のビジネスを継続することなんです。

納税しなくてもビジネスの継続が社会貢献になる

せっかくリスクを背負って立ち上げた自分のビジネスを、1年2年で諦めるのではなくて,

3年、5年、10年、30年と、ずっと継続していくこと、これからもずっと続けていけることが一番大切なことなんですよね。ここが僕が特にひとり起業家、ひとり社長のあなたに言いたいことです。

そしてあなたが自分のビジネスをしっかりと続けているってことは、立派な社会貢献になっていますからね。利益を出しているとか、ちゃんと納税しているとかは関係なく、ビジネスの継続=社会貢献になっているんです。その結果、実は勝手に納税がなされているんです。

つまり今日は何が言いたいのかというと、僕たちひとり起業家、私たちひとり社長は、自分のビジネスでじゃんじゃん稼いで、じゃんじゃん使えば、つまり粗利益をじゃんじゃん稼いで、その粗利益を経費でじゃんじゃん使って、もちろん自分の取り分はしっかりと確保しながらお金を回していれば、たとえ最終的な利益(6の所得金額のことね)が出ていなくても、今は納税していなかったとしても、それで十分社会貢献しているんですよ〜ということですね。

だから、ときどきあなたの周りでも、社長たった一人のお一人さま会社だったとしても、会社は会社、経営者は経営者なんだから利益をきちんと出して納税するのが大事!というセリフを聞いたら、ビジネスでお金を回して社会貢献することと、しっかり利益を出して納税することは違うということをちょっと思い出してみてくださいね。

納税しなくてもビジネスの継続が社会貢献になる

今回は、利益と納税と社会貢献の関係についてお話ししてきました。実は利益にもいくつかの種類があり、僕たちひとり起業家が意識しないといけないのは、「粗利益」と「所得金額」です。ビジネスをやるなら粗利益を最大化させる必要があります。しかし、所得金額は最小化させましょう。

税金は所得金額に課税されるので、粗利益を大きくして所得金額を小さくすると、あなたの手元に多くのお金が残ることになります。だから利益を出すことと納税をすることは必ずしも同じではないんですね。

そしてあなたが直接納税をしなくても、手元に残ったお金を使って自分のビジネス&人生を楽しんでいけば、お金が世の中に回って、結果的に納税され社会貢献にもなります。だから所得を増やして納税することよりも、節税をして手元にお金を残してビジネスを続けることに注力しましょう。そして手元にキャッシュを残すためにも、ビジネスを継続するためにも節税脳を鍛えていかないといけないですね。それではまた。