美容院代は経費にできるの?

Last updated on 2023年3月14日 By 杉田健吾

以前のレクチャーで、「一人で外食も経費にできる?」という話を書きましたが、それと似た話で、最近またまた聞かれる質問に「美容院代は経費にできるのですか?」というものがあります。このような質問は以前から何度も聞かれるのですが、結構面白いネタなんですよね。みなさんも興味あるのではないでしょうか?

美容院代について、みなさんどう思われますか?僕の見解では、「個人事業だとかなり難しい」しかし「法人なら『賢くデザイン』すれば経費も可能かもしれない」です。ただし、法人なら絶対経費になるわけではありません。賢くデザインするのがとても重要です。

そこで今回は、法人で美容院代を経費にする方法について紹介します。

今回の内容は

個人事業で経費にするのは難しい理由
散髪は個人の生活でも必要
個人事業だと家事按分が必要
事業と個人を明確に区分する必要がある

法人で美容院代を経費にする方法
法人が経費にできる条件とは
経費にできるのは美容院代だけではない

巷の噂はほどほどに

法人なら美容院代や洋服代も経費にできる

個人事業で経費にするのは難しい理由

法人の話をする前に、なぜ個人事業の場合は難しいのかについてお話しします。

散髪は個人の生活でも必要

例えばセミナー講師のように人前に立つ仕事をしていたとします。そのような仕事をしていると身だしなみがとても重要です。そのため、美容院に行くことも経費じゃないの?っていう話がよく話題になります。

髪を切ること自体は、確かにセミナー講師をするためには必要だったかもしれないですよね。しかし、髪を切ることは個人が生活する上でも必要なこととも言えますね。つまり、ビジネスにも必要なのはわかりますが、あなたが生活する上でも必要でしょ?って言われてしまうんです。

個人事業だと家事按分が必要

つまり個人事業だと、どうしても家事関連費(家事按分)という概念がいつも付きまとうということです。その結果、美容院代にしろ洋服代にしろバッグや財布のような、自分自身の身体や身につけるものについては、なかなか全額を経費にはできないということです。

だって、仕事以外の時も使うでしょ?髪切ることってセミナー講師のためだけじゃないでしょ?って言われるのですね。

事業と個人を明確に区分する必要がある

家事按分が必要なものを個人事業の経費にするためには、他人が見ても「うんうん。この領収書は明らかに、あなたの事業の売り上げを上げるために必要な支払いだよね。」となる必要があるんです。

事業の分と個人分を明確に区分して、計算した結果をきちんと記録しておかないといけないということですね。明確に区分していないと、全部経費として認めてあげられないよ!となってしまうんですよね。個人事業の場合、明確に区別しないといけないから美容院代や洋服代、バッグや財布等々を事業の経費にするのが、まあまあ難しいことになってしまうんです。

正確にいうと、勝手に経費に入れるのは誰でも入れられるんです。何でもかんでも、経費に入れるのは勝手です。でも税務調査があったら、ほぼダメって言われてしまうということです。

法人で美容院代を経費にする方法

個人事業だと難しいことは分かったけど、法人の場合はどうなの?って話ですよね。

法人が経費にできる条件とは

実は法人の場合、経費にできるかどうかは、問われる場所が大きく違うんです。法人の場合は、その美容院代をなぜ法人が払うの?法人が払う理由があるの?というところが問われます。簡単にいうと、美容院代の場合は「今回のセミナー講師をするためには美容院に行かなければならなかったという理由が説明できればいい」ということになります。

つまり「今回のセミナーのために美容院にわざわざ行って、髪を切って、セットもセミナー用に素敵にして、自分自身をブランディングしているんですよ!だって、そうしないと法人の事業の売上げ、つまりセミナー事業が成功しないじゃないですか!」って言えればいいということですね。

髪を切ること自体は、確かに法人であろうと個人であろうと必要なことです。しかし、今回のセミナーを成功させるためには、髪を切ってしっかりセットして、自分自身をブランディングしてセミナーに登壇する必要があったんです。となればそれは法人の経費にする立派な理由がありますよね。そうならば、美容院代は法人の経費でいいよとなるわけです。

経費にできるのは美容院代だけではない

法人の経費にできるのは、美容院代だけじゃなく洋服でもバッグでも同じことです。その洋服代やバッグ代を法人が払う理由があるかどうかが重要です。つまり、このセミナーを成功させるためには、この洋服で自分自身をブランディングする必要があったと言えればいいということになります。

そして、その洋服を着て颯爽とセミナーをしている姿をきちんと写真等で残して、ブログ等でそこをアピールしておけばいいということですね。これで証拠もバッチリです。

巷の噂はほどほどに

巷では、スーツや洋服は経費にならないなどいろいろ言われています。その中でもよく聞くのが、あまり高額なものは経費に認められないと税理士さんから言われたというものです。でも、これっておかしいですよね。ひとり起業家って、スーツであれ洋服であれ高額になればなるほど、自分のビジネスやブランディングに絶対活かそうと考えますよね。

というか、自分のビジネスに活かすために気合を入れて、高価なスーツや洋服を買うのですよね。それなのになぜ、このスーツや洋服が経費にならないの?って話ですよね。巷の噂に惑わされず、しっかりと法人が払う必要性を考えて経費にしましょう。

法人なら美容院代や洋服代も経費にできる

今回は、法人で美容院代を経費にする方法について紹介してきました。個人では全額を経費にすることが難しい美容院代ですが、法人であれば必要性があれば経費にすることができます。これは美容院代に限ったことではなく、衣装代やバッグ代も同様です。

こういう風に考えていくと、個人事業に比べて法人の経費ってものすごく範囲が広いということがだんだんとわかってくると思います。ここがわかってくると、ひとり起業家が法人にするメリットが見えてくると思いますよ。

それではまた。次回をお楽しみに。