会社の旅行に子供を連れて行きたいの?

Last updated on 2023年7月17日 By 杉田健吾

前回のレクチャーで「せっかくのお休みは会社で慰安旅行に行こうよ!」という話をしましたね。社長ひとりの会社でも夫婦二人だけの会社でも親族だけの会社だとしても、会社は会社なんだからちゃんとある一定の条件をクリアすれば、会社の経費で慰安旅行に行ってもいいという内容でした。

そこで読者さんから「会社の慰安旅行に子どもを連れていっていいのでしょうか?」という質問をいただきました。今回のレクチャーでは、この質問にお答えします。

今回の内容は

子どもを慰安旅行に連れていったらダメ?
子どもはひとりで留守番ができない
子どもも慰安旅行に連れて行ってOK

子どもの同伴をOKとする場合のポイントを2つ紹介
ポイント①:子どもにかかる旅行代金は経費にしない
ポイント②:福利厚生費規程に則って慰安旅行を実施する

まとめ

子どもを慰安旅行に連れていったらダメ?

質問者さんはご夫婦ふたりで会社を経営されている方で、僕のレクチャーを読んで、このたび慰安旅行を計画しようとされています。しかし、お子さんがまだ小学生なので、「父ちゃんと母ちゃんが二人で旅行に行ったら子どもを家に置いていかないといけない」「子どもも一緒に連れていく必要があるのですが、その場合は子供の分も会社の経費にしてもいいのでしょうか」と頭を悩まされていました。

子どもはひとりで留守番ができない

なるほど〜そりゃ〜そうですよね。父ちゃんと母ちゃんが旅行に行ったら、小学生のお子さん一人で留守番しないといけない、それはちょっとまずいですよね。

お子さんがたとえ「父ちゃんと母ちゃんが久しぶりにラブラブで旅行に行く気になったのに、子どもの僕が邪魔しちゃ悪い!僕のことは大丈夫だから、父ちゃん、母ちゃん久しぶりに二人っきりで楽しんできて!」なんて涙が出るような健気なことを言ってくれたとしても、さすがに親としては小学生の息子を一人家に置いて旅行には行きづらいですよね。

こんなときはやっぱり親としては愛する息子のために、会社の福利厚生費としての慰安旅行はあきらめて、全額ポケットマネーで払って単なる家族旅行に切り替えた方がいいのでしょうか…なんて、おそらくほとんどの親御さんが思われることかもしれません。

子どもも慰安旅行に連れて行ってOK

これについて、あなたはどう思います?「やっぱり子供を連れて旅行に行ったら会社の慰安旅行にはできないでしょ」って思いますか?そうですよね。やっぱそう思いますよね。

しかし、みなさん、ちょっと頭が固いです。そこまで難しく考える必要はないんです。会社の慰安旅行に子どもを連れて行ってもOKです。だって、お子さんが小さかったら家に置いていくわけにはいかないですからね。これは当然のことです。

最近では、共働き家庭が当たり前になってきました。中には、お父さんが単身赴任で、お母さんがお子さんをひとりにできないから、社員旅行に行けないなんてケースもあるのではないでしょうか。そこで、「社員旅行の子どもの同伴OK」としている会社もたくさんあります。ということは、夫婦2人の会社でも子どもの同伴OKとしても良いんです。

子どもの同伴をOKとする場合のポイントを2つ紹介

会社の慰安旅行に子ども同伴OKとする場合は、これから紹介する2つのポイントを抑えてください。

ポイント①:子どもにかかる旅行代金は経費にしない

子どもにかかる旅行代金は会社の経費にしなければ良いです。「なんと、そんな手があったのか?」と思われるかもしれませんが、そうなんです。お子さんは一緒に連れて行ってもいいけれど、会社の経費からちゃんと除外しておけば、夫婦二人の旅行にかかる費用は会社の福利厚生費でいいとなるってことですね。

福利厚生費ってあくまでも会社の役員や社員の慰労が目的なので、社員でない家族はこの福利厚生費の範囲には入らないってことなんですね。なので、連れて行くのは構いませんがそこは自腹で払わなければいけません。

頭が固い人は「じゃあ領収書なんかは2枚にちゃんと分けてこれは夫婦二人の分、これは息子の分って、ちゃんと分けないといけないの?」って思いがちですが、そんな面倒なことはしなくてもいいです。領収書は一緒にしておいて構いません。あとからお子さんの分を計算してマイナスして書いておけばいいですよ。ひとつひとつの計算が面倒なら総額を人数で割って、お子さんの分を引いて残りを福利厚生費にすればいいってことですね。

簡単でしょ?

ポイント②:福利厚生費規程に則って慰安旅行を実施する

2つ目は「最初からちゃんと会社のルールに則ってやっていますよ」という証明ができることです。たまたま家族で行った旅行にも関わらず、後付けで「これを経費にしようぜ」とすることは絶対に避けてください。

後付けにするのではなくて、夫婦だけの会社でも「福利厚生規程等」をちゃんと先に作っておいて、その規程に則って毎年実施しているということが大事だってことですね。福利厚生費規程に「子ども同伴OK」ということをきちんと明記しておきましょう。

まとめ

今回のレクチャーでは読者さんからいただいた「会社の慰安旅行に子どもを連れていっていいのでしょうか?」という質問にお答えしました。今回のポイントは次の3つです。

・ひとりで留守番できない子どもを慰安旅行に連れていってOK

・子どもにかかった旅行代金は経費からは除外しよう

・福利厚生費規程を作成して、会社のルールに則っている証明ができるようにしよう

やはり節税って準備、計画、デザインによって、その結果が変わってくるので、どうせなら賢く準備、賢く計画、賢くデザインしておきたいですよね。せっかく会社を設立したのであればこのように賢く法人を活用して、賢くそして有効にお金を使って行きましょうね。