税務署より厳しい税理士さんがいる理由②とは?

Last updated on 2023年9月12日 By 杉田健吾

前回のレクチャーでは、税務署より厳しい税理士さんがいる理由の一つ目を紹介しました。今回のレクチャーはその続きで、理由その②を紹介します。

新しい税理士さんを探しているひとり起業家の方はぜひ参考にして、あなたにぴったりの税理士さんを見つけてくださいね。

今回の内容は

前回のおさらい:税務署より厳しい税理士さんがいるって本当?
非の打ち所がない申告書を作ることを重要視しているから
税務調査が来ない税理士さんに頼んだ方がいいんじゃないの?
税務調査に強い税理士さんもいる

税務署より厳しい税理士さんがいる理由とは?
理由②:ひとり起業家の働き方を分かっていないから
ひとり起業家は人に会うことがビジネスの核
税理士さんが悪いわけでも、ひとり起業家が悪いわけでもない

ひとり起業家とマッチする税理士さんを探そう

前回のおさらい:税務署より厳しい税理士さんがいるって本当?

税務署より厳しい税理士さんが結構います。ここでいう「厳しい」という意味は、経費に認めてくれる範囲がものすごく狭いという意味です。

どうして税務署より厳しい税理士さんがいるかというと理由の一つを紹介しました。

非の打ち所がない申告書を作ることを重要視しているから

実は、その税理士さんは非の打ち所のない真っ白な申告書を作ることに命をかけているからなんです。つまり、税務調査があってもまったく問題点がない状態を作るために、疑わしきは排除する、グレーは認めない、真っ白のものしか経費は認めないということに徹しているということです。

なぜ税務調査で問題のない申告書を作りたいかというと、問題のない申告書を作れば作るほど、この税理士さんやその税理士事務所が税務署に対して幅が効くようになるためです。あそこの税理士事務所は厳しいから調査に行っても問題はほぼないという評判がたてばたつほど、申告書にその税理士さんのハンコが押してあるだけで、調査に来る確率がガクンと減ります。

「税務調査がこない税理士事務所」というのは、税理士さんからしたらすごい宣伝文句になるんですよ。これはこれで税理士事務所のブランディング戦略としてはありだと思うし、実際にそれで調査に来る確率が下がるのであればそういうやり方も悪くはないと思います。

税務調査が来ない税理士さんに頼んだ方がいいんじゃないの?

社長が「税務調査が来ないこと」を望んでいるのであれば、こういう税理士さんを選ぶこともアリだと思います。税務調査と聞くと、なんだか怖いですもんね。「あとからどんどん税金が膨らんでいくんじゃないの!?だったらはじめから真っ白な申告書のほうがいい…。」という方にはおすすめです。

ただ正直言って、税務調査が来ないことを売りにしている税理士さんは税務署より厳しいので、経費の範囲が下手したらみなさんが思っているものの半分以下になってしまうかもしれません。本当に事業に関係しているのにも関わらず、経費にできないなんてこともザラにあります。

なので、この考え方に合わない社長さんはちょっと避けた方がいいかもしれませんね。

税務調査に強い税理士さんもいる

「税務調査が不安、だけど税務署より厳しい税理士さんはちょっと…」という方には、「税務調査に強い」税理士さんをおすすめします。

税務調査に強いというのは、税務調査が来ないとはわけが違います。たとえ税務調査がきたとしても、経費にした理由をきちんと説明できるということです。税務署のいいなりになるのではなく、根拠をもって税務署を論破できる税理士さんが、税務調査に強い税理士さんです。

税務署より厳しい税理士さんがいる理由とは?

ここからが今回のレクチャーの本題です。税務署より厳しい税理士さんがいる理由その②を紹介します。

理由②:ひとり起業家の働き方を分かっていないから

税理士さんがひとり起業家というものの働き方をわかっていないという場合があります。つまり「ひとり起業家のマーケティングとはなんぞや?」ということが理解できない、いやそもそも理解する気がないんです。

要は僕たちひとり起業家が「なぜいろんなところに顔を出して知り合いを増やそうとしてるのか?」という意図がまったく理解できないから、「単なる飲み会に参加して楽しんでるだけでしょ?そんなの経費にはなりませんよ」という考えになるんですね。これはある意味仕方がないのかもしれません。

こういった厳しい税理士さんは、これまである程度の規模の会社ばかりを見てきた方が多いと思います。確かにそこそこの規模の会社の社長がちょっとした会合や懇親会に参加したぐらいで、いちいち経費にしないですよね。だって社長本人もそこまで必死に知り合いを増やそうと思って活動しているわけではなく、単なるおつきあい程度にしか考えていないからです。だから、厳しい税理士さんに「このようなおつきあい程度の飲み会は経費になりませんよ」と言われても、「それもそうだな、これぐらいはポケットマネーで払わんとな」と納得できるんです。

ひとり起業家は人に会うことがビジネスの核

でも、ひとり起業家でひとり社長だったらこうはいかないですよね。

ひとり起業家にとって、「人に会うこと」こそが大切な仕事なんです。人に会って繋がっていくことで、いろんな仕事が生まれます。つまり自分のビジネスのメインなんですね。ひとり起業家のマーケティング戦略の要なんですよ!

それにも関わらず、その活動で支払ったお金が経費にならないなんて、ありえへんやろ!という話なのですが、実はなかなか理解していただくのに骨が折れるんですね。それどころか頭ごなしに否定までされてしまう…。

税理士さんが悪いわけでも、ひとり起業家が悪いわけでもない

このような場合はどちらが悪いというわけではなく、そもそも税理士さんとひとり起業家のお二人がマッチしていないのだから(適材適所ではない)、さっさと切り替えた方がお互いのためかもしれませんね。

「どちらが正しいか?」で争うと、最後はお互いが疲弊してしまい、いい結果にはなりません。そうではなくて、「どちらが楽しいか?」で判断すると、あなたの意見もわかる、でも私の意見もわかるでしょ。お互いに意見が合わないこともあるよね。じゃあこのまま無理して我慢してくっついているより、そろそろ別れた方が楽しいよね」という話になるわけです。

ひとり起業家とマッチする税理士さんを探そう

今回のレクチャーでは、税務署より厳しい税理士さんがいる理由その②について紹介しました。今回のポイントは次の3つです。

・経費を認めてくれる範囲の狭い税理士さんはひとり起業家の仕事を理解していない

・ある程度の規模感のある会社を顧問している税理士さんにありがち

・税理士さんとのミスマッチはお互いのためによくないので、はやめにお別れするべき

税理士さんにも得意な業界や分野があります。なかにはひとり起業家に特化した税理士さんもいるかもしれません。ひとり起業家の顧問をたくさんされている税理士さんであれば、ひとり起業家特有の経費も理解してくれているはずです。ぜひあなたにマッチした税理士さんを探してみてくださいね。