個人事業主の退職金って経費にできないって本当?経費にするたった1つの方法を紹介!
Last updated on 2023年4月24日 By 杉田健吾
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なんとびっくりすることに個人事業主に退職金ってないんですよね。個人事業主だって法人の社長と同じように頑張って働いてきたのに、退職金が認められないなんて…損だと思いませんか?
今回のレクチャーでは、個人事業主の退職金が経費として認められない理由と、退職金を経費にしたい人がするべきことを紹介します。ぜひ最後まで読んでみてください。
個人事業主は退職金をもらえない?
先日、僕の知り合いの個人事業主の方とお話をする機会がありました。その個人事業主の方は、個人事業として30年間ビジネスをされているのですが、そろそろ辞めて、のんびりしようかな?と考えているみたいです。
そこで「退職金をいくらくらいもらっていいのか」という相談を受けました。
個人事業主の退職金は経費として認められない
個人事業主の方より「いくらまでなら退職金として出しても経費として認めてもらえるんですか?」という質問をされましたが、あなたはどう思いますか?「個人で30年間も事業を頑張って続けてきたのだから、退職金思いっきり出してもいいんちゃうの?思い切って1億円ぐらい出してもいいのでは?」って思っちゃいません?
しかし、すごく言いにくいのですが、実は個人事業主のあなたには退職金は…認められないんです。正確には、勝手に退職金を出すのは構わないのですが、いくら退職金を事業の儲けから出しても、事業の経費には認められないと決まっているんです。
個人事業主の退職金が経費として認められない理由
なぜ個人事業主の退職金が経費として認められないか理由を解説しますね。
個人事業において払わされる所得税で認められる経費のことを「必要経費」って言います。必要経費として認められるためには、次の2つの要件を満たす必要があるんです。
①事業活動に”直接”関連していること
②その事業活動に必要であること
つまり、必要経費は、あくまでも事業の「売上を得るために必要な経費」となっているんですね。
では、事業主であるあなたへの退職金って「売上を得るために必要な経費」に当てはまるでしょうか?「あなたが事業を辞める(あなたの退職)=個人事業の廃止」ということになりませんか?ということは、個人事業の廃止なので、そのために支払う退職金はあなたの事業の売上を得るために必要な経費ではないですよね。
なんと、厳しい。「30年も個人事業として汗水垂らして頑張ってきたにも関わらず、退職金ももらえないなんて、鬼のような仕打ちじゃないの?」と言いたくなるのも分かります。しかし、残念ながら個人の所得税法ではこのように決まっているんですね。
家族の退職金も経費には認められない
さらにもっと残念なことが、あなた(事業主)だけではなくて、あなたの奥さんや息子さんがあなたの事業の専従者となって働いていたとしても、奥さんや息子さんにも退職金は認められないんです。
奥さんや息子さんへの日々のお給料は経費として認められるので、「退職金も認められるんじゃないの?」と思いがちですが、事業主の場合と考え方は同じで、奥さんや息子さんの退職によって売上が増えるわけではないので、経費にはできないんです。
法人にすれば役員の退職金は経費になる!
なんだかガックリきてしまいませんか?しかし、個人事業主のあなたには、ここからのレクチャーをしっかり読んでほしいです。実は、法人の役員は退職金を経費にすることができるんです。
社長の退職金はもちろん経費になる
法人であれば、社長が勇退した場合、社長に出した退職金は経費にすることが可能です。なぜなら、法人の経費に認められているものは個人事業みたいに限定されていないからです。
個人と違って、売上と直接的な関連性を求められず、間接的に少しでも会社の事業に関連している経費であれば、法人の経費にできてしまうんです。どうして個人事業主と法人でここまで差があるのかというのは、こちらのレクチャーで解説していますので、気になる方はぜひ読んでみてください。
家族の退職金も経費になる
さらに法人になると、なんと家族の退職金も経費にできるんです。お父さんが会長であろうが役員であろうが、奥さんが役員であろうが社員であろうが、息子さんが専務であろうが単なる社員であろうが、退職金って認められるんです…。
個人事業では認められなかったものが、法人になった途端認められてしまうなんて、びっくりしますよね。だから、僕は「法人がいいよ」っていつも言っているんですね。
しかも、法人の退職金には「かなりお得な特典」がついているんです。特典については次回のレクチャーで解説しますので、楽しみに待っていてくださいね。
まとめ
今回のレクチャーでは「個人事業主の退職金が認められない理由」と「法人であれば認められる理由」を紹介しました。今回のポイントは次の3つです。
・個人事業主や専従者の退職金は経費として認められない
・認められない理由は、退職したからといって売上が伸びるわけではないから
・法人であれば、社長はもちろん家族の退職金も経費にできる
個人事業主と法人でここまで差があるのは本当にびっくりしますね。同じ事業をするのであれば、いろいろとお得な法人のほうが良いと思いませんか?僕のレクチャーでは、個人事業主が法人成りするメリットをたくさん紹介していますので、気になる方ぜひ他のレクチャーも覗いてみてくださいね。