バレンタインの友チョコは経費?
Last updated on 2023年8月24日 By 杉田健吾
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いよいよ明日はバレンタインデーですね。ということで、今回はバレンタインに関連したお話をひとつ紹介します。みなさんはバレンタインチョコを貰ったり配ったりすることありますよね。そのときのバレンタインチョコの購入費用を経費にできるのか気になりませんか?
実はこの範囲、個人事業と法人では大きな違いがあるんです。個人なら友チョコは経費にできませんが、法人の場合なら友チョコでも経費にできる可能性があります。そこで今回は、バレンタインチョコはどこまでを経費にできるのかについてお話ししていきます。
バレンタインチョコってどこまで経費になるの?
先日、とある女性起業家の方から質問があったのですが、「私ってバレンタインデーは毎年かなりの数のチョコを配るのですが、これってどこまで経費にできるのですか?やっぱり仕事のお客さんに配ったものまでしか経費にしたらいけないんですよね?」というものです。
物をあげた時の経費は交際費
バレンタインチョコなどの贈答品の費用、あなたはどうされてますか?僕の予想では、まあたぶん次のどっちかに分かれると思っているのですが、あなたはどっちですか?
- ほんとうに仕事に直接関係している取引先の人の分しか経費にしてない方
- なんでもかんでも全部経費にしてる方
バレンタインチョコのように人に何か物をあげた場合、経費になるとしたら何費になるのか覚えていますか?いわゆる贈答した場合ってやつですね。これはもうわかりますよね。交際費ですよね。では交際費の範囲ってどこまでがOKなのか覚えてますか?交際費って簡単に言うと人を”もてなす”ための費用でしたよね。覚えてますか?えっ?まだ覚えていない。。。ではもう一度おさらいしますね。
法律では交際費はこのように決められている
交際費って法律になんて書いてあるのかというと、法人の場合は「交際費、接待費、機密費
その他の費用で、法人がその得意先、仕入先、その他事業に関係ある者等に対する接待、供応、慰安、贈答、その他これらに類する行為のために支出するもの」ってなってます。
法律にはちゃんと「贈答のために支出するもの」って書いていますよね。ということは、人に贈り物をする行為は贈答なんだから、ここだけを見ればバレンタインチョコはまさに贈り物、贈答ですから、それがたとえ本命チョコでなく義理チョコや友チョコであっても交際費にはなりそうですよね。
誰にあげたものでも交際費にできるの?
そうなると次に気になるのがその範囲です。誰にあげたものでもOKなの?って気になりますよね。どこまでが交際費として経費に認めてもらえるの?誰にあげたものまで経費に認めてもらえるの?ねえねえ、近所のママ友に配った友チョコまで経費にできんの?ってね。そうそう。ここからがとっても有利なのが法人の交際費でしたよね。
個人事業の場合は事業に直接関係していないと経費にならない
個人の場合は交際費の範囲って実は限定されていましたよね。個人の経費の範囲って原則は事業に直接関係したもののみということです。この範囲は交際費であっても同じです。なので、個人の場合の交際費の範囲はあなたの事業に直接関係している人に配ったもののみとなります。
そうなると、近所のママ友に配った友チョコはちょっと厳しいですね。あなたの事業に直接関係してないでしょ?近所のママ友に配ったって言われても、それは単なるご近所付き合いですよね?って言われそうですね。
法人は「事業に関係ある者等」なら経費になる
でもこれが法人になるとどうなるのか?この範囲がめちゃくちゃ広いのが法人の交際費でしたよね。法律になんて書いてあるのかをもう一度見てみると、「得意先、仕入先その他事業に関係ある者等に対する接待、供応、慰安、贈答、、、」つまり、その範囲は「事業に関係ある者等、、、」ってことです。
事業に関係ある者?えっ?個人とどこが違うの?って思いましたか?でも、全然違うんですよ。だって“直接”が抜けている。しかも”直接”が抜けた上に、さらに「等」がついている!どうですか?この意味わかってもらえますか?
法人の交際費の範囲はめちゃくちゃ広い
法人の交際費の範囲がどれだけ広いか理解してもらえましたか?
交際費の範囲は「みんな」と解釈できる
「事業に関係ある者」って、直接的な関係だけじゃなく間接的に関係ある者も含むということですからね。これだけでも個人と比べて法人の交際費の範囲はかなり広いことがわかります。それなのに、さらに、まだそこに「・・等」がついている。どこまで広げるねん。まさに「どんだけ〜」あ〜また書いてしまった。
しかもこれは自分のビジネスに直接関係している取引先だけに限られたものではなく、間接的に関係する者も含み、さらに自分の会社の役員や従業員、株主等も含むとされていて、しかも、、、さらに、、、その最後に、、、まだ「・・等」がついている。まさに「どんだけ〜」ですね。
そうであるならば、僕たちひとり起業家、ひとり社長にとって事業に関係する者等って考えようによってはみんなちゃうの?って話ですよね。どうですか?みなさんはそう思いませんか?
誰があなたのビジネスを宣伝してくれるかわからない
だって、たとえばあなたのビジネスの口コミ、紹介ってどこから生じるか?なんてわからないですよね。裏を返せば、あらゆる人から口コミや紹介は起こり得るってことです。近所のママ友が口コミや紹介をしてくれますからね。
と言うことは、つまり自分以外の人はすべて間接的に、自分のビジネスに関係するって言えるんじゃないでしょうか。そうであるならば、自分以外の他人に贈答するために買ったチョコの代金って、すべて交際費でいいんでないの?って話ですよね。
交際費の年間800万円の枠を賢く活用して節税しよう
今回は、バレンタインチョコはどこまでを経費にできるのかについてお話ししてきました。バレンタインチョコのように人に物をあげた場合の費用は、交際費を使うんでしたね。法律にもちゃんと「贈答のために支出するもの」と書いてありますからね。そして、交際費になる範囲も「事業に関係ある者等」と法律にしっかり書いてありました。
「事業に関係ある者等」ってことは、これからお客さんになるかもしれない人や、宣伝してくれるかもしれない人も含みますよね。ということは、あたなのまわりの人みんなが関係者と言える。だから、法人の場合はだれにバレンタインチョコのような贈答品を送っても、それは全部交際費で良いよねってなるんですね。
こう考えると法人の交際費の範囲ってやっぱり、めちゃくちゃ広いわ〜って思いますよね。個人だとこうはいかない。まあ法人の場合、年間800万円までという縛りはありますが、ひとり起業家なら年間800万円もあれば十分ですからね。ということであなたもせっかく法人になったのなら、この広大な交際費をもっと賢く活用してくださいね。ではでは。今日はこの辺で。