稼いだお金って法人・個人どっちで残す?儲けたお金は法人・個人どっちで残す?
Last updated on 2024年1月17日 By 杉田健吾
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ひとり社長や小さい会社の社長で会社のお金が自由に使える状態の場合、最終的に残ったお金を給料として受け取るか、会社に残しておくか悩んだことはありませんか?世間一般では会社にもある程度残しておいた方が良いと言われていますが、自分の会社が一般的な会社に当てはまるのか疑問ですよね。そこで今回は、儲けたお金を個人で残すのか法人で残すのかについてお話しします。法人と個人のどっちに残すかで、お金の質が変わってくるので、ぜひ参考にしてみてください。
法人と個人、お金を残すならどっち?
最近僕がよく聞かれる話の一つが、ビジネスで稼いだお金って法人で残しておいた方がいいの?それとも個人で残した方がいいの?というものがあります。確かにひとり社長や小さい法人の社長さんは悩みますよね。
一般的にはある程度法人にお金を残した方が良い
一般的には法人には事業資金をそれなりに残しておきましょう!なんて言われますよね。近い将来に設備投資をするならその分はちゃんと蓄積しておかないといけないとか、最低でも固定費で3ヶ月分、いやいや半年分は残しておきましょう!なんて言われますよね。
確かに、あなたの会社(法人)が大企業ならその通りですね。そりゃ〜事業資金は会社(法人)にそれなりに残さないといけないし、法人の利益をぜ〜んぶ社長個人がいただいちゃうってわけにはいかないですよね。
ひとり社長なら個人で残した方が良い
でも、ひとり社長の法人や親族だけの法人って、実質は個人事業とあまり変わらないですよね。なので正直言うと、実は法人にそんなにお金を残しておく必要はないって僕は思っています。だって、ひとりでやってる法人だと法人のお金も個人もお金も結局は一緒ですからね。なので結論から言うと、ひとり社長の法人や親族だけの同族会社では、儲けたお金はできるだけ個人で残せるようにするって言うのが僕の考え方です。
お金を個人で残した方が良い理由とは
なんで個人で残すのかというと、社長個人のお金にしてしまえば社長のプライベートなことに使うのもOKだし、かといって法人にお金が必要になった時には社長がすぐに法人にお金を貸すこともできますからね。なのでビジネスで儲けたお金はできるだけ個人に残るようにしておけば、社長個人でも自由に使えるし法人のお金としても活用できるので、そのお金の自由度が上がるんですね。この状態がやはりいいですね。
ちなみに、たとえ法人の銀行口座にお金がたくさん残っていても、それが社長が法人にお金を貸してる状態、つまり代表者借入金として社長個人のお金を法人に導入している形になっているならば、そのお金はもう社長個人のものと考えたらいいですからね。だっていつでも自由に法人の銀行口座から引き出して(社長が法人に貸してるお金を返してもらって)プライベートなことに使ってもいいお金ですからね。この意味わかるかな〜。
法人にお金を残すとどうなる?
僕のオススメは個人にお金を残すことですが、何も考えずに、なんの対策もせずにビジネスで稼いだお金が法人にどんどん残るような仕組みになっていたとしたらどうでしょう。
社長への貸付は銀行の評価が下がる
いざ個人でお金が必要になった時には、社長個人が法人からお金を借りないといけないことになります。つまり社長への貸付金が発生するということです。そして、その事実が法人の決算書に残ってしまうということですね。この社長への貸付金って、実は銀行からはあまり評価が良くないんですね。なので今後融資を受ける予定がある法人などは、この社長への貸付金はあまり会社の決算書に残さない方がいいです。まあ、銀行に融資を依頼する必要がない法人ならそこまで深く考えなくてもいいのですが。
法人税とのバランスを考えることも重要
ただし、稼いだお金が法人にどんどん残る仕組みになっているってことは、それだけ法人税を払っているってことですから、そこをできるだけ賢く調整したいですね。できることなら役員報酬や親族への給料、そして旅費規程や住宅規程等をフルに活用して法人と個人の税負担を絶妙のバランスで最適化したいところです。
それがひとり起業家が法人にする理由の一つであり、そこが経営者としての社長の腕の見せ所の一つですからね。ここは個人事業の方には決してマネのできない部分なので、ぜひチャレンジしていただきたいところです。そして法人にしたからこそできる税金のコントロールを、ぜひ楽しんでみてくださいね〜。
個人に残してお金の自由度を上げよう
今回は、儲けたお金を個人で残すのか法人で残すのかについてお話ししてきました。僕のオススメは個人でお金を残すことです。なぜなら個人でお金を持っていたほうが、そのお金を自由に使うことができるからです。個人のお金ならプライベートで使ってもいいし、事業で使ってもいい。
僕たちひとり起業家って、会社でどうしてもお金が必要になったら会社に貸し付ければ良いだけだから、個人で持っていても事業で使うことができるんです。だから社長がお金を持っていれば会社でお金が足りなくなることはないし、固定費の半年分とか言われている一般的な考えに従う必要はありません。
でも、個人でお金が必要になって会社から借りるとなると、銀行からの印象が良くありません。だから個人でお金を持っている方が良いんですね。あと、法人でお金を持っているということは、それだけ法人税を払ったってことになります。だから法人でお金を持つのではなく、法人の節税メリットを活かして上手く個人にお金を渡すのがオススメです。そうすれば個人がお金を受け取った時の税金等も節約できます。そのためにも、旅費規程や住宅規程をフル活用していきましょう。