ひとり飯は経費にできる?個人事業主が経費にできる条件とは?
Last updated on 2022年11月16日 By 杉田健吾
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ひとり起業家をしていると、どこまで経費にしていいのか迷いますよね。面倒だから、全部経費にしてしまえ!なんて人もいるのではないでしょうか?
実は個人事業主がそんなことをやっていると、税務調査が来た時に追徴課税を課せられる可能性があります。個人事業はみなさんが思っているほど経費にできる範囲が広くはないんです。
そこで今回は、食事代を例に、個人事業主が支払いを経費にできる条件について紹介します。勘違いしている人が多いので、しっかり確認しておきましょう。
食事代はどこまで経費にできる?
「【節税方法】一人社長の財布のお金を1000万円増やす税金対策とは?」の記事の中で、「僕の自宅は関西ですが、都内にオフィスを借りています。」という話をしました。
そこで都内で仕事をした時の、とある一例をもとに経費について考えてみましょう。
食事代は会議費?それとも交際費?
クライアントさんと打ち合わせをする際、都内のオフィスの近所で打ち合わせを兼ねて食事をすることがあります。クライアントさんとの食事は打ち合わせなので、当然経費ですよね。勘定科目は「会議費」で問題ありません。そして打ち合わせで意気投合したので2人で、打ち合わせのあとに飲みに行って、親睦を深めることもありますよね。これも、「交際費」として経費に計上していいですよね。1人5,000円以下なら会議費にもできます。
最後に、飲みに行ったあと腹が減ったので、2人でラーメンを食べに行きました。これはどうでしょう?これも経費でいいですよね。でも、会議費?それとも交際費?どちらでもいいですよね。打ち合わせをしていたんですから。
そして、クライアントさんと別れ1人になったところで、もう一軒行きたくなったので、行きつけのバーに1人で飲みに行きました。これって、経費ですか?
どこまで経費にできるかは法人と個人で違う
実は、どこまでの食事代が経費にできるかは、法人と個人で変わってきます。厳密に言うと、もっと前の段階から分かれているのですが、その話は置いておきましょう。
結論から言うと、今回の食事代の場合は、法人なら経費にできるけど、個人なら経費は難しいというのが答えです。これを聞くと驚く方も多いのではないでしょうか。たぶん、個人で事業されている人は、かなりなんでもかんでも経費に入れている人が多いかと思います。
まあ、滅多に税務調査なんてこないので、何でもかんでも経費に入れえていても、とりあえずは大丈夫です。しかし、もし税務調査が来たとしたら、「やべ!!!俺の経費、大丈夫かな?」ってなりますよね。だって、経費になるかわからないものでも経費にしているんですから、途端に不安になりますよね。でも法人なら、「税務調査?ふ〜ん。うちのような会社に、何しに来るのかね?」ぐらいの感じなんです。
経費の範囲を勘違いしている人が多い
実は、サラリーマンや個人事業主の方が、大きな勘違いをしていることがあります。みなさんも、法人より個人のほうが、なんでも経費にできるというイメージがありませんか?
個人が経費にできる範囲は狭い
たとえば、僕はときどき、副業をしているサラリーマンや個人で商売をされている方から、「領収書があれば、なんでも経費になりますよね」なんて聞かれることがあります。
また、「友達と3人で食事に行ったんですが、レシートがあれば経費でいいですよね」「それとも領収書がないとダメですか?」なんて聞かれることもあります。
はっきり言います。どちらもダメです!実は、個人事業の場合、経費に認められる範囲って、法人よりかなり狭いんです。
法人の方が経費の基準が厳しいんじゃないの?
上記のような質問をするサラリーマンや個人事業主のみなさんのイメージって、「個人事業主なら、領収書さえしっかりしていれば、何でもかんでも経費に入れられる」といった感じでしょうか。
そして法人になったら、厳しい税理士さんが、以下のように制限してくると思っていませんか。
- この経費はなんですか?
- この費用は、個人的な物ではないのですか?
- なんですか?この洋服を経費にするんですか?
- スーツがなぜ経費に入っているのですか?
つまり、個人だったらなんでも経費にできて、法人になったら経費の基準が厳しくなるとおもっていませんか。
個人事業が経費にできる条件は狭い
個人事業が、何でもかんでも経費にできるのは、誰もチェックしていないからです。税理士さんがしっかりチェックすると、個人事業で認められる経費ってかなり限定的なんです。
経費にできる条件は2つ
あまり細かいことを説明すると分かりにくくなるので、簡単に説明します。
個人事業で経費に認められるためには、以下の2つの条件をどちらも満たした場合のみです。
- 事業活動に「直接」 関連していること
- 事業活動に必要であること
しかもこの条件を事業者本人の判断ではなく、客観的に誰が見てもわかるようになっていないといけないのです。
これでも、分かりにくいかもしれないので、もう少し簡単に説明します。
要するに、第三者から見ても、「うんうん。この費用は明らかにあなたの事業の売上を上げるために必要な支払いだよね。」ということがわかるかどうかということです。
個人の場合、友人との食事は原則経費にならない
上記のような条件を考えた時に、先ほどの「友達3人と食事に行ったんだけど、領収書があれば経費になるよね」という状況は、条件に当てはまりますか?この時の領収書を第三者が見て、「うんうん。この領収書は明らかにあなたの事業の売上を上げるために必要な支払いだよね。」って分かりますか?ふつう、分からないですよね。だから、この場合は厳密にいうと、アウト!です。
友達と3人で食事に行った領収書を誰かが見て、「うんうん。この領収書は明らかにあなたの事業の売上を上げるために必要な支払いだよね。」なんて、わかるわけない。だから、「領収書の裏には、事業に関係する『誰』と『なんの目的で』行ったのかを書いておきましょう。」なんて、よく言われているんですよね。
だって、書いておかないと第三者が見たときに、「うんうん。この領収書は明らかにあなたの事業の売上を上げるために必要な支払いだよね。」なんてならないですからね。(しつこいって?笑)
法人なら個人より経費にできる範囲が広い
上記のような食事のケースで、法人の場合はどうなると思いますか?
実は、法人の場合、もっと条件がゆるいです。信じられないかもしれませんが、本当なんです。実は、この違いをかなりの方が勘違いしています。
おっと。今日は長くなったので、このへんで。
法人については今後、また別の機会にゆっくりと紹介できたらと思います。
P.S.
ひとり起業家って、こんなことがありますよね。
- 一人でカフェ
- 一人でご飯、
- 一人で飲み屋
- 一人で銀座^ ^
こんなひとり行動も、法人ならかなりの範囲を経費にできます。
それでは、また次回もお楽しみに!