現金売上を使っちゃったら脱税なの?
Last updated on 2023年10月19日 By 杉田健吾
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みなさんは商品を販売したときに現金を受け取ることがありますか?物をたくさん販売する事業をされていれば、レジなどの設備もあってレシートが自動で出てきたりしますが、僕たちひとり起業家だったりすると、そこまでの設備はないことが多いですよね。そしてセミナーなんかを開催すると、現金を受け取ることも多いのではないでしょうか?
毎回領収書を発行すれば後からでも売上がわかったりするのですが、そこもあいまいになってしまうと現金を数えるしかなくなります。その現金を使ってしまうと売上がいくらなのか正確に計算するのが難しくなりますよね。でもそんな方はご注意ください。脱税を疑われてしまいますよ。そこで今回は、売上を現金で受け取って売上の計上を忘れてしまった時について解説していきます。
現金の売上を計上し忘れていませんか?
今回はみなさんに対してちょっとした質問です。「あなたは現金で受け取った売上をすべてちゃんと売上に計上できてますか?」「えっ?現金で受け取った売上をすべて全部、ちゃんと売上に計上できてるか?って、そんなの、、、正直言って自信がない。。。」って方が実は多いのではないでしょうか。そうなんです。現金で受け取った売上ってうっかりすると、後からどこに行ったのかわからなくなって、ちゃんと売上に計上するのを忘れることも多いんです。
例えばセミナー代金。今でこそコロナでオンライン開催が多くなり、銀行振込やPayPal等での電子決済が増えましたが、ちょっと前まではセミナー当日に会場で現金で受け取ることも多かったですよね。そうなると、うっかりするとその現金で受け取ったセミナー代金で、ご飯を食べに行ったり、コンビニで飲み物を買ったり、何も買わなくても自分の財布の中に入れてしまったりしてしまうんです。そしていつの間にか、日々の生活費に充ててしまって、すっかり売上に計上するのを忘れるなんてこともあったのではないでしょうか?「いやいや。そんなのめっちゃありますよ〜」っていう方は、実は要注意です!
売上を除外したら脱税で重加算税
そんな現金で受け取った売上代金って、あなたの確定申告の売上に計上されていなかったとしたら、国税の調査官に「社長、これは売上除外ですよ〜」と言われることがめっちゃ多いんです。つまり以前のレクチャーで、「それ言っちゃうと脱税になりますよ〜」のところで書いた「除外(じょがい)だ〜」って言われるってことです。
そして、この売上除外だ〜と言われるとどうなるのでしたっけ?売上を「除外」したとなると、売上を計上しないといけないとわかっていたにもかかわらず、あなたが故意に、わざと税金を安くするために、売上を計上しなかったということになるんですね。つまり脱税行為をしたと認定されて、なんと罰金の金額が多い重加算税(35%)というものががっぽり取られるということですね。ひえ〜まじか〜ですよね。
うっかり忘れただけでも脱税になるの?
でも、僕のレクチャーを読み続けているあなたなら、あれ?って思った方も多いのではないでしょうか。「いやいや私は、いやいや俺は、故意にわざと税金を安くするために売上を除外したんではないですよ〜」と思いませんでしたか。確かに現金で受け取ったセミナー代金をその日のうちに使ってしまったので、うっかり売上に計上するのを忘れてしまったかもしれません。
「あ〜バカなことしたなあ〜。あ〜悪いことしたなあ〜。」って思うけど、別に故意にわざと税金を安くしようとしたわけではないですよ〜って思いますよね。そりゃ〜確かに税金は少しでも安い方がいいし、できればあまり払いたくないけど、でも脱税してやる!なんてこれっぽっちも思っていないんですがって思いますよね。こんなズボラな私がうっかり現金の売上を会社の売上に計上するのを忘れただけで脱税になっちゃうの?って思いませんでしたか?
実はここが脱税になるかならないかは、税務調査の実態を知っている人と知らない人とでは、その後の結果がまったく変わってしまうんです。その辺りはまた次回書きますね。
売上除外で脱税にならないように気を付けよう
今回は、売上を現金で受け取って売上の計上をうっかり忘れてしまった時について解説してきました。現金の売上ってレジのレシートとか領収書とかの履歴がないと、後から正確に把握するのが難しくなります。売上で受け取った現金を全く使わないのであれば、現金を数えれば良いのですが、ついつい自分のお金と一緒にして使ってしまうことも多いでしょう。
そうなると、売上の計上が漏れてしまうかもしれません。でも計上漏れが国税に見つかってしまうと、売上除外だと言われて脱税に認定されてしまうこともあるので注意しましょう。うっかりミスを主張しても聞き入れてくれないかもしれません。どうやって回避すれば良いのかは次回のお楽しみということで。