相手の名前の言えない経費があるんです。。。
Last updated on 2023年10月23日 By 杉田健吾
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ビジネスをやっていると、仕事や人を紹介されることってありますよね。そんな時に、謝礼を渡したことってありますか?そのときの謝礼って経費にしていますか?
領収書を貰えれば良いですけど、個人が相手だと、なかなかそこまでしてくれる人って居ないですよね。そんな時あなたはどうしますか?領収書がない謝礼って経費にしていいのでしょうか?勝手に経費にすると後々まずいことになってしまうこともあるので、気を付けてくださいね。そこで今回は、お金を支払ったけど経費にできそうもない事例について紹介します。
支払った謝礼は内緒にしておいてといわれたら?
先日ある方から、内緒の支払いについての質問を受けました。その質問とは「知り合いで地元ではそこそこの地位にある方からお客さんを紹介してもらったので、その謝礼に現金をお渡ししたんです。そうしたらその相手の方が、『この謝礼は内緒にしたいから領収書はなしねって。』って言うんです。まあ、いつもお世話になっている大切な方だし、立場も相手の方が上なので、『いや、それは困ります。領収書をちゃんとください!』とも言えないんです。これってこちらで出金伝票か領収書を勝手に作って経費にしてもいいのでしょうか?」というもの。
内緒の支払いは領収書を勝手に作っても良い?
こういう状況になったら、あなたはどう思いますか?
相手が不明なものは経費にできない
これね。実は、実際の商取引にはよくある話なんですよね〜。知人から仕事や人を紹介してもらったので、その謝礼に現金や商品券を渡すということありますよね。まあいわゆる紹介料とか、リベートとか、キックバックとかって言われるやつですね。これね。まず最初にお伝えしたいのが、税金の世界では支払った相手方が不明のものは、経費にできない!(損金不算入と言います)と思ってください。
領収書作って名前や住所を書けば交際費にできる
「えっ?じゃあ、こちらで勝手に領収書を作って保管してもあかんの?」って思いますよね。確かに、こちらで領収書を作って、そこに相手方の名前も住所もきちんと書いておくということならば、今回の紹介料のようなものは交際費として経費にできますね。
でもね。あなた、その相手に「この謝礼のお金は内緒にしてね。」って言われたんですよね?それなのに、こちらで勝手に領収書を作って相手方の名前や住所を書いてしまったら、その方にあなたがいくらの謝礼を支払っているかがバレてしまいますよね。あなたはそれで大丈夫ですか?その大切な地元の有力者の方に迷惑をかけるんじゃないの?って思いませんか?
経費にできるかどうかは後々のことを考えて!
領収書を勝手に作って相手に迷惑をかけたら、後々自分に跳ね返ってきますよね。
経費にした場合、相手が申告していないと相手に問題が出る
いやね。その地元の有力者の方がちゃんとね、あなたから現金で謝礼をもらってるよ〜って確定申告しているのなら、なにも問題ないんですよ。でもね。「この謝礼は内緒にしたいから領収書はなしね。」って頼まれたのなら、まあ間違いなくその受け取った現金は申告されていないですよね。それなのに、あなたがあなたの会社で経費にして真面目に領収書まで作って、その方の名前や住所まで明かしてしまったら、それってまずいんじゃないですか?って思いますよね。
相手を明かせない支払いは経費にならない
ということで、このような相手方を明かせない支払いって、税金の世界では経費にできません。いや正確には、あなたが勝手にこの支払った謝礼を交際費等の経費として経理処理するのは構いませんが…。でも税務の世界ではそんな支払った相手方の名前も住所も明かせないようなものは、経費には認めないよ!って言われる(正確には損金にならないと言うこと)ということですね。
そして、このような相手方を明かせない支払いについては、あなたもきちんとどう処理すべきか?をちゃんと理解していないと、あなた自身が痛〜い目にあう!ということになりますので、気を付けてくださいね。
経費にできないなら税金を納めるしかないの?
今回は、お金を支払ったけど経費にできそうもない事例について紹介してきました。あなたも仕事や人を紹介されたことはあるのではないでしょうか。そのとき謝礼を現金で渡して、そのままってことも多いですよね。でもそのお金って、ちゃんと処理すれば交際費などの経費にできるんです。でも、なかなか経費にしづらいこともある。
それはなぜかというと、相手を明確にしなければいけないからです。相手がお金を受け取ったことをしっかり申告してくれていれば、こちらも経費にしても問題ありません。しかし、相手が申告をしていない場合、こちらが経費にしてしまうと、相手が申告していなかったことがバレてしまうんですね。そうなるとまずいことが起きる可能性が高い。だから、相手を明確にすることができず、その結果経費にもできないということです。
それならあなたが経費にせずに、相手の代わりに税金を多く納めるしかないですね。でもそこにも落とし穴があるんです。そこを理解していないとあなたはもっともっと痛い目にあうことになるので気を付けてくださいね。その辺りは次回のレクチャーで詳しく解説していきます。